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ウィークリーN

第205回●2006年10月22日(日)

 「人toみらいA 劉 鳳(リュウ・フェン)さん」


 お待たせしました。人toみらい、第2回目は明るい笑顔に魅了されて、 高知工科大学大学院起業家コースの留学生、劉 鳳(リュウ・フェン)さん、24歳をご紹介します。
 
 今回は初めて、ほとんど英語での取材でしたので、細かいニュアンスが正しいか多少不安はありますが、中国の方とのコミュニケーションは英単語がわからなくても、漢字でわかり合える部分もあり、そういった点では助かりました。(笑)
 劉 鳳(リュウ・フェン)さんは中国の四川(しせん)地区、成都(せいと)の西南交通大学の出身です。(現在は3万人ほどのマンモス大学です。)非常に優秀な女性で、13歳から無試験で中学・高校・大学に進み、その後「中国国家奨学金」という国家レベルの奨学金試験に合格し、国費留学しているエリートですが、かわいらしい笑顔からはとてもそうは見えません。
 彼女はコンビニを経営している両親を、長女として4歳から手伝っていたそうです。
「一人っ子政策」を取る今の中国には珍しく兄弟が4人いて、(この罰金は地域によって違いますが相当高額なようです)、ご両親はなかなか大変だとか。「もし子供が私一人なら、きっと両親もお金持ちだったと思いますが…」と笑っていました。
 彼女が中国の大学にいた頃は、学部の生徒会長、学校新聞の編集者、学校のディスコのマネージャー、学外での英語の講師、NGO(非政府組織)…と、たくさんの活動をしていたそうです。例えば少数民族の貧しい家庭の子供の教科書代を「これは社会責任だ」と集める活動をしたり、学校のディスコの経営を立て直したり。ディスコは学生に不人気だったのを、外部のディスコ調査と学生のニーズを訊くことにより改善し、逆に外部の客まで入るようになったとか。なかなか凄腕のようです。
 彼女は英語の勉強をしていたので、最初はアメリカ留学を考えていました。しかし大学で何人かの日本人の教授に出会い、中でも高知工科大の起業家コースの平野教授に心を動かされて日本に来る決心をしました。この4月に来日し、現在工科大の起業家コース博士課程で、起業工学を学んでいます。
 今は大学近くの留学生用のアパートで、中国の女子学生と二人で暮らしています。お昼を作るところを見せてもらったのですが、慣れた手つきでおいしい中華料理をご馳走してくれました。賢い女性は料理もうまい、ってとこですねぇ。 
 一生忘れないのはよさこい祭りの練習だそうです。彼女は8月のよさこい祭りに大学のチームで参加したのですが、最初は「祭りはエンターテイメントなのに、日本人はどうしてこんなに真面目すぎるほど練習するのか?」と驚いたそうです。
 大学のチームは週に5日、夕方3時間ハードな練習をしていたらしく、留学生で参加したのは彼女だけだったそうです。1ヶ月ほどの練習は、学業との両立で大変でしたが、生活が楽しくなったとか。本番では2日間踊ったのですが、とても感動し充実感で一杯だったそうです。
 中国と日本の大学生の違いについて聞いてみると、「日本の学生は従順ですね。もっと中国では自己主張し、議論をします。」
「それに日本では多くの学生がアルバイトをしていますが、中国では勉強とさまざまな活動が忙しく、時間がないのでできませんね。」つまり完全に親がかりなので親は大変そうだが、日本と違い、学費は年に10〜12万円と安いので、大丈夫なのだとか。(その代わり、親の年収もさほど高くないのでしょうが…)

 彼女はまだ日本語が充分わからないため、起業家コースの講義とは別に、留学生主体のゼミを受講しています。コースの留学生は4人(プラス日本人1人)で、すべて中国からの方々です。講義は7割ほどが英語で、英語が苦手な人には先生が日本語で解説してくださいます。
 この日はちょうど学会発表へ向けての熱心なプレゼンテーションの最中でした。彼女も今週から論文のため、中国企業にインタビュー旅行に出発するそうです。先生は今回は東京からで、衛星回線を使っての熱意のこもったやりとりが続きます。
 彼女は将来はビジネス・ウーマンになり、「いずれはビジネスを立ち上げたい」という夢を持っているようです。日本のマネジメント(協調的)とアメリカのマネジメント(合理的)の中庸が中国ではないかと思っているそうで、「日本と中国の架け橋になりたい」とのこと。「職場は世界のどこでも構いません。」
 
  結婚については?と聞くと「性格が大事ですよね。包容力が大きくて、優しい人がいいですね。でも親は中国に帰って欲しいと思ってるでしょうね…」とはにかんで答えていました。彼女を見ていると、そのエリートさとは相反した、かつての日本女性の特質、自然な「慎ましやかさ」を感じ、それがとても心地よいのです。うーん、見習わねば。
 
 最後に「 あなたのモットーは?」と聞くと「Do my best!」とにっこりと答えました。「And enjoy!」
人事を尽くし、そして楽しむ。その素晴らしい笑顔が、これからもますます輝きますように。



 
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