中身は、起業家コースの学生と教員、8人の共著です。ベンチャーに見る日本再生のヒントということで、地方に芽生えるユニークな事業、地元を誇るブランド・ビジネス、小さい組織を逆手にとった新ビジネスなどが紹介されています。また、ベンチャーを育てるベンチャー企業などの面白い事例も載っています。
「地方切り捨ての時代」にあっても、どっこい頑張っている元気な企業はたくさんあります。それらにエールを送ると共に、日本経済再生のためのヒントになれば、ということでこの本は企画されました。
中には地域産業振興論という授業で訪問インタビューした、「木の葉を売る」葉っぱビジネスの(株)いろどり、四万十川をブランドにした(株)四万十ドラマの事例などもあり、地域活性化には役に立つヒントがいっぱいです。
一例を挙げると…
(株)四万十ドラマは「四万十は宝の山」と地元産の材料にこだわり、四万十発の情報や産物を少量多品種商品という戦略で売り出しています。企画やマーケティングがうまいキーマンの重要性が伝わる事例です。
徳島の(株)いろどりは、なんと言ってもそのビジネスモデルが素晴らしいことは誰しも認めるところでしょう。どこにでもある葉っぱを「つまもの」という料理店の添え物として安定的に供給するシステムを確立したのです。その結果、日本のどこにでもある、人口2千人強で46%の高齢化率、山林85%以上という過疎地が、それを逆手に取り、今や年間売上2億円企業を育て、多い人は月200万という全国トップクラスの高齢者収入を安定的に生み出しているのです。
高知工科大大学院起業家コースの学生は、社会人学生がほとんどです。平均年齢は40代くらいでしょうか。仕事を持ち、週末だけ集中して大学院に通い、学び、論文をまとめています。そういった中で培った物を、社会に何か還元できないか、ずっと温めていたものがやっと日の目を見た、と言ってもいいでしょう。
せっかくですので、中身もご紹介しましょう。
第1部 ユニークなベンチャー事例紹介
第1章 顔の見える消費者・生産者ネットワーク 事例:(株)とさ千里
第2章 四万十川に生きる-故郷をブランドに 事例:(株)四万十ドラマ
第3章 「木の葉、売ります」-徳島に芽生えた高齢者自立事業 事例:(株)いろどり
第4章 村人組織で成功させた超ハイテク・ベンチャー 事例:米国法人PIRI
第2部 ユニークなベンチャー支援事業
第5章 BLO(ビジネス移転機関)によるベンチャー支援 事例:(株)企業創研
第6章 ネットワークで行う地域マーケティング 事例:SEM(検索エンジン・マーケティング)を利用した私の試み
第7章 投資家から見た小さな組織を活かす大きな知恵
事例:各国ハイテクベンチャーと(株)コトヴェール
第8章 教育ベンチャーとしての大学院社会人教育 事例: 高知工科大大学院起業家コース
ちなみにこの本は、アマゾンや楽天ブックスでも取り扱っていますので、簡単に注文できます。
ご興味のある方は、ぜひ手に取っていただければ、幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
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