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第229回●2007年4月15日(日 )

    若者の投票について

 

 18歳以上に投票権を与えるという新たな国民投票法案により、選挙権の引き下げだけでなく飲酒許可など、「大人は十八歳から」に日本社会が大変革しそうだ。

 18歳で投票権ができるということについては、正直まだ自分の中でも揺れている。若い人でも社会参加意識が高まり良いのではとも思うが、反面「30歳で成人式をしてちょうど」とも言われる昨今の精神年齢の低さから考えると、心配でもある。「選挙に行かない」ならまだしも、いいように利用されるのでは?とか買収とかの、要らぬ心配をしてしまうのだ。

 だが、一つだけ「これは変えるべきだ」と思うことがある。投票デビューする若者が増えるのにも関わらず、「選挙に関する勉強」がほとんどできない、という現状はなんとかならないのか?ということである。

 先日、20歳の長女が投票デビューした。彼女は以前から選挙に大変興味を持っており、「政見放送が見たい」など、社会参加の意欲満々だった。

 ところが、いざ実際の候補者についての勉強をしようと思うと、その貧困さに驚いた。政見放送は「衆参両院議員・都道府県知事選挙の立候補者がその政見を発表するラジオ・テレビ放送」なので、県・市議選では放映されない。
 
 また、ネット社会にもかかわらず、候補者21人中、ホームページ(ブログ)を持っていた人は2人。選挙カーはうるさいけれど、知りたい情報はわからない。長女のように障害を持っていると、演説会にも参加しにくい。つまりペラペラの選挙公報の、ごく限られた情報でしか情報が得られないのだ。しかもそれは公約だから、いいことばっかりしか書いていないし。というわけで、今私が20歳だったら、一体何をよりどころにして候補者を選ぶだろう、と考えさせられてしまった。

 情報提供の基盤整備もろくにできてない現状は、問題があるのではないか。今の時代、選挙管理委員会によるネット選挙公報くらいは欲しい。少なくとも意欲ある若者が「今の政治の現状や問題を知りたい」と思ったとき、きちんと公平な立場でそれを調べられ、判断ができるような整備はしておくべきではないのか?

 そんなことを考えさせられた日曜日、外は市議選の選挙カーがやかましく行き交っている。    

 

 
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