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第233回●2007年5月13日(日 )

    「ただ在る」ことへの感謝

 

 2週間ほど前のこと。その日の研修も無事終わり、近くのファミリーレストランで仕事の振り返りや打ち合わせをしてから帰宅した。ところが帰ってすぐ、イヤリングを取ろうと手を伸ばすと右側がなかったのだ。
大ショック!

 そのイヤリングは銀色でどのスーツにも似合い、華やかだけど 上品で、ビジネス使いには一番重宝していた物だったからだ。レストランにいた時携帯電話で話したのだが、その時に落としてしまったのだろう。あいにく、レストランは家から遠い。電話して探してもらったが、見つからないと言う。そうだろうな…。

 無くした物は仕方がない。今はネットの時代だ。あるブランドの物だったので、ひょっとするとネットショップやオークションにあるんじゃないかと期待したのだが、探してもなかった。翌日、今や高知で唯一のデパート、大丸に行ったのだがやはりそれに代わる物はなかった。そういえば今まで、東京や大阪に出張に行ったときもイヤリングを探したのだが、なかなか気に入る物がなくて買わなかったことを思い出した。で、こればかりに頼っていたのだ。

 高価な物ではなかったのだが、自分にとってかけがえのない物の価値は非常に高い。それから仕事でスーツにピッタリ来るイヤリングがないたびに「あーあ」と、落ち込んでいた。しかし考えてみると、どうもこれはモノに対する執着だよなあ、と気がつく。ひょっとすると神様が「モノにあまり固執しないように」ということでこうなったのかもしれない。

 それにしても、無くして初めて気づくありがたさ。ただ「在る」だけでありがたかったのだなあ、とつくづく思う。ふと、それと似たようなことがあることに気づく。私の祖母は95歳で、ケアハウスにいる。もう、目も耳も弱ってコミュニケーションもほとんど取れない状態だ。でも、祖母の存在はいてくれるだけで親族みんなを温かくつなぎ、心の励ましになっている。

 折しも今日は母の日だ。私の母は72歳だが、日野原重明先生が提唱する「新老人」という言葉がピッタリ来る。「老人」と老け込むのでなく、「新老人」としてずっと現役で積極的に社会貢献しよう、というものだ。(ちなみに新老人は75歳からだそう。)
 母も毎日帰りが遅い娘(私の妹)に代わって、孫の夕食などの世話をし、祖母の様子も見に行き、趣味である写真やビーズ手芸も友人達と楽しんでいる。常にスケジュールは一杯で、忙しく動き回っている、とてもパワフルな人である。

 子供の頃はいわゆるキャリアウーマンの走りだった母はいつも忙しく、その反動もあり専業主婦に憧れていた私。ところが念願かなって専業主婦になったのに、いつのまにか母のように仕事に熱中している。おかしなものだ。母は今も庭の水やりをしてくれたり、さりげなくサポートをしてくれているが、親の存在のありがたさはかけがえのないもの。本当に感謝である。

 ところで先日、夫が「落ちてたよ」と私に何かを手渡してくれた。見ると、なんとあのイヤリングではないか!「えーーっ、どこにあったのぉ!?」「窓のカーテンの陰に落ちてた」とのこと。
いやー、嬉しかった!ひょっとすると夫からもらった物の中で、近年一番感動した物かもしれない。(笑)  

 

 
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