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第256回●2007年10月21日(日)

   「ボクシング謝罪会見に見たマナーの重要性」

 
 プロボクシングのWBC世界フライ級タイトルマッチで反則行為を繰り返し、先週謝罪会見をした亀田親子への世間の反応は、厳しいものであった。
 あの会見で、私は改めてマナーの基本を再確認させてもらった。

 反則行為をした亀田 大毅選手は、うなだれて一言も発せずじまい。しかし世間で言われているとおり、若干18歳の向こう見ずな若さはここで初めて挫折を体験し、返って良かった。挫折はしなやかに立ち直れる、早い時期に味わうに越したことはない。「ボクサーとしてのこれから」も大事だが、「人としてのこれから」はもっと大事だから。

 問題は父親の、史郎氏の態度だ。わざわざ謝罪会見したにも関わらず、「誠意が見えない」と非常に評判が悪かった。それはなぜなのか?

 原因の1つに、史郎氏の態度が挙げられるだろう。試合前の傍若無人のふるまいは目に余るものがあった。謝罪会見でも最初に「色々とご迷惑かけて申し訳ありませんでした」と頭は下げたものの、きちんとしたお辞儀ではなく、頭だけピョコンと下げた態度は、「詫びを入れる」姿勢からはほど遠い。まるで、10代の学生が「あーざーっす(ありがとうございます)」と言っている時のようだ、と感じた。

 また、言葉も「仕方ないと思ってます」「言ってません」「考えてます」など、「です」「ます」の丁寧語のみ。謝罪会見なら「思っております」「考えております」などへりくだって使うべき謙譲語が、まったく使えていない。そのため、よけいつっけんどんな感じがしたのだろう。

 史郎氏は42歳だ。息子と違って、社会性をきちんと身につけているべき年齢にも関わらずあれでは、世間から叩かれても仕方ないだろう。「頭が悪くても、ボクシングの賢さがあったらいい」と言ったそうだが、人間としての賢さがないと、こういう思いをするのだとわからないと、今後も厳しいことだろう。

 会見の翌日、亀田大毅選手は内藤選手宅を電撃訪問し、謝罪したそうだ。しかし本来は、他人の家を突然訪問するものではない。内藤選手は「突然、自宅まで来られてびっくりした」そうだが、「直接謝罪を受けて、誠意が伝わった。」というコメントを発表した。本当に懐が広い方だ。それに引き替え亀田親子は、人としてのマナーの基本から学ぶべきだろう。

 どの道でも重要な能力は2つあり、1つは「知識・技能」、もう1つが「人間力」であると私は思う。日本は古来より「茶道」「華道」「武道」など、「道」をつけるのを好む。そして「道」には、高い精神性が求められる。この高い精神性=人間力がないと、日本では決して達人とは認められない。先日の朝青龍騒動といい、このことを再認識した出来事だった。

 

 
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