私は、講義後半によくロールプレイングを盛り込む。体感してもらうことが重要だと思うからだ。今年は知らない人とペアを組み、自己紹介し合い、その後ちょっとしたゲームをすることにした。
ところが、この「知らない人とペアを組む」ということが、若い学生達はとても苦手だ。高校生達もそうなのだが、とにかくその場から動かない人が多い。知らない人に話しかけることができないのだ。しかし、そんな事は織り込み済み。
「はい、こっちのグループ、あっちへ移動!」などと細々と指示を出す。「スタッフもいるから、1人になることはないので大丈夫」と声かけ。ようやくペアができあがる。
学生達にとって、知らない人と短時間で何回も話すという事は滅多にないことだろうが、1度行うと2度、3度めはスムーズになる。「笑顔で、積極的に!」という指示はもういらない。1度目は無表情で立ちすくんでいた学生が、2度目は照れくさそうに話している。あちらこちらで、自然に笑顔が出る。とても楽しそう。
そう、本来は人とコミュニケーションをとるのは楽しい事なのだ。やる前に考えすぎて、固まっちゃうだけ。この後に書いてもらったレポートには嬉しい言葉がいっぱい!
・あれこれ考えてるより行動した方がいい。
・ゲームは始め尻込みしたが、やってみるとすんなり行えた自分に驚いた。
・初対面の人と楽しく話せた。人の目を見て話すと心地よい。
・コミュニケーションを取るということは、楽しく生きていくコツだ。
・人は無意識にコミュニケーションを求めてしまう生物なのだな、とゲームをしながら感じた。
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