何回かコラムでも書いた通り、この3年ほどお世話になっていたので、今回の破綻に影響は受けました。ふり返れば、NOVAの営業手法には、疑問を感じる所も多々あったのは事実です。
NOVAに入会したのは2004年の6月。英語のプレゼンを大学でしなければいけないというので、ドロナワもいいところで始めたのでした。NOVAはレッスン料を月々払うのではなく、あらかじめポイントを買う、という方式をとっていました。うまいやり方です。これなら入ってすぐやめられても会社は得するだけですからね。
NOVAには1年コースと3年コースがあり、1年はポイントも少なく割高で、3年は割引率も増えることとなっていました。当然スタッフは熱心に3年コースを薦めます。しかし漠然と(そうは言っても、はたして3年後にこの会社があるかどうか?)と思ったのを覚えています。
レッスンを受講してみると外国人の講師のみなさんがとても熱心で人柄も良く、これなら続けてもいいかと3年コースの1番低いポイントを買い、1年半くらいは月2回とか、そこそこ通いました。長女も「私も行きたい」と言い、入会。長女は2週間に1度くらいレッスンを受け、英語力はつきませんでしたが先生と楽しそうにコミュニケーションしていました。こういうのもアリかなーと思っていたくらいです。
ただ、ポイントを買ってもスタッフは折りを見つけてまた買い増しを薦め、適当にスルーするものの、うんざりしていました。うまいなぁと思ったのは、2か月に1度くらい?「講師の先生からのフィードバックがありますので」と呼び止められるのです。会話力、文法、語彙力などを細かく間接的に伝え、最後に「もう少し通われたらレベル○まで行けますよ」とか、巧みにポイントの買い増しを薦めてきたりするのです。1年だけ通った次女はこれがうまく断れず閉口していたので、私が代わりに断ったりしていました。
それでもまあ、特に文句もなくやっていたのですが、別の問題が持ち上がりました。私の仕事が忙しくなり、なかなかレッスンの時間がとれなくなってきたのです。レッスンが2か月ぶり、ということもざらでした。長女だけはなんとか月1〜2回時間を確保していたのですが、今年はよさこいを踊ったため、7月から練習で時間を取られ、その後も私の多忙が続き、夏以降は行っていなかったのです。NOVAのことがしばしばニュースに取り上げられるようになって、「大丈夫かいな?」「でも、11月頃からは再開できるかな…」と思っていたのですがねぇ。
あまり知られていないことですが、夏に写真のような手紙が来ました。「レッスンの有効期限延長のご案内」とあります。「やむを得ない事情等により、受講できない期間がある方のために期間限定で有効期限延長の申し込みを受付させていただきます。」そして、3か月延長2万、6か月延長3万、1年延長5万、と書いてありました。つくづく、頭の良いやり方だと感心します。私はこれにおめおめと引っかかり、半年延長してしまいました。でもまあ、こういうこともあろうかと取っておき、ここで使えたので転んでもただでは起きてませんが。(笑)
ふり返ると、本当に経営的にはうまいやり方だと感心する所が多かったです(もちろん、皮肉ですけどね)。猿橋社長という方は能力的には大変優れた人であったと思いますが、いかんせんそのベクトルの方向性が間違っていました。
今朝の朝日新聞には、一部後を引き継いだジー・エデュケーションがレッスン料を月謝制に改め、一定期間は旧NOVAの生徒を25%の受講料で受けられるようにする、と載っていました。…でもねえ、高知は多分無理なんじゃないかな。
心が痛むのは、外国人講師の方々です。春に別の会社に移ったあの先生は、淋しかったけど本当に良かった。でも、9月に初めての赤ちゃんが生まれると言っていた先生はどうなったのだろう?本国に帰る方もいらっしゃるようですが、気さくで親切な講師が多かっただけに、やりきれない思いです。
赤福や船場吉兆の不祥事を見てもそうですが、どれだけ老舗でも大企業であっても、売らんかなに走り、社会的道義心を忘れた企業、ベクトルの方向性が間違っている企業は、いずれその報いを受けるということを強く思います。
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