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第262回●2007年12月2日(日)

   「お疲れさまでした、橋本知事」

 
 今週、4期16年間の任期を終えて橋本大二郎知事がご退任されます。

 ふり返れば、平成3年の初当選時は44歳という、全国一若い知事でした。
知的でスマートで、やる気に溢れていて、本当に県民の望む新しいリーダー像に合致していると感じたものでした。

 県議会も傍聴したことがありますが、橋本知事は職員の書いた原稿を棒読みにするといった無粋なことは決してしませんでした。必ず、自分なりの言葉に直され、それを聞き手に語りかける姿を見て、さすがは元ジャーナリストと共感したものです。それは様々なセレモニーにおいてもそうで、橋本知事の誠実さを感じました。 

 同時に「強い方」でもあります。ご自分の信条を率直に述べられて、知事公舎に街宣車を突っ込まれたこともありますが、ひるまなかったのはすごい胆力だと感じ入りました。「会合のためとは言っても、昼間から酒を飲むのはいかがなものか」と至極まっとうな指摘をしたのに批判を浴びたり、グレーゾーンの人と真っ向から対決したり。そして忘れちゃいけない、高知工科大学の生みの親(理事長)でもあります。

 平成11年のことですから、もう9年ほど前のことです。当時、肢体不自由児が通う若草養護学校には看護職員がいませんでした。生徒達の障害は年々重度化していて、タンが詰まった時など一刻も早く吸引するなどの対処が必要でしたが、家では親たちがやっているそういう行為を、学校では先生が行えなかったのです。なぜなら、「医療行為に当たるから」ということでした。そのため、発作を起こすと一刻を争う時に、時間をかけて病院まで運んでいたのです。

 この事態をなんとか打破したいと、当時PTA会長をしていた夫は副会長だった県庁職員のお父さん達と活動をしていました。お母さん方のグループも動いていましたが、3年間ほど活動しても、当時の教育委員会は「医療行為は学校では行えない」と、断固として認めてくれませんでした。

「何かあったら、子供達が大変なのに」「安心して、子供達を学校へ送り出したい」ということは、当時の保護者たちの切なる願いでもありました。そしてとうとう、「知事に直訴をしよう」ということになったのです。教育委員会を無視した頭越しの行為ですから、本当はかなりまずいことだったのでしょうが…。

 橋本知事は熱心に話を聞いてくださり、「何が問題でこれができないのか」と職員に尋ねた上で、「それ(看護職員の配置)はいいことだから、ぜひそうしましょう」と約束してくださったそうです。まさに、鶴の一声でした。こうして、子供達は不慮の発作の不安から逃れることができたのです。

 2002年頃でしたでしょうか、知事のラジオ番組「大二郎's ワールド」にお呼びいただいた時、その時のお礼を申し上げました。1対1でお話しさせていただいたのは、その時が初めてでした。
 その時感じたのは、本当に頭が良い方だということ。ただ、その頭の良さゆえ、矛盾があると鋭く突っ込まれるので、正直あまりくつろげる感じでは無かったように思います。 でも、リーダーとしての手腕や実力の方が重要ですから、特にそれは気になりませんでしたが。

 驚いたことに、スタッフの中村は高校生の頃、知事に会いに行ったことがあるそうです。もちろんアポイントも取っていなかったのに、相談事にわざわざ時間を取ってくれ、話をしてくれたとか。そういう優しい一面もあるんですねえ。

 16年の長きにわたって高知県を引っ張ってくださった橋本知事、本当にお疲れさまでした。引き続き工科大の理事長はなさるようですし まだお若いですから、これからも存分にご活躍なさってください。楽しみにしています。

 

 
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