この本は店舗のマネジメントの問題を、主人公たちが改善しながら「パーフェクトサービス
レストラン」をめざし成長していく、というストーリーが綴られています。レストラン業をモデルに、ビジネスにおいて成功するための重要なノウハウである「店舗のマネジメントレベル」とそのやり方を、具体的に披露しています。しかしその内容は飲食業だけではなく、どの業種においても重要なことばかりです。
・お客様が発しているサインに気づく
・仕事内容はその人の意欲の高さと人間的な質の高さによって決まる
・コンシューマーとカスタマーの違い
・ボトムアップのモチベーションを持たせるためには
・悪貨が良貨を駆逐する現場を改善する
・マニュアルの意義
・スタッフのマネジメント ・・・
こういったことがたくさん、語られているのです。しかも、ストーリー形式なので読みやすいのが嬉しい。特に経営者には、「組織開発を広め成功させる」という内容が、勉強になるはずです。もちろん、
レストランビジネス従事者には必見の書でしょう。
私が「ホスピタリティ」(温かなおもてなし)という言葉を知ったのは、10年以上前、小松田先生のセミナーでした。サービス業をホスピタリティ・ビジネスと言うこと、そしてサービス業の根幹の理念がこの言葉にあるということを知り、その奥深さを教えて頂きました。
しかし一番すごいと感じることは、小松田先生ご自身が、周囲の方々に対してホスピタリティを常に体現していらっしゃることです。細やかに気遣いをなさり、しかもそれを負担に感じさせない。これは
先生の人間力の深さゆえでいらっしゃるのですが、なかなか真似できることではありません。
先生は1999年からずっと、年4回
ATMSセミナー(Afternoon-tea
Management Seminar)を主催なさっています。「業種や職位、年齢などに関係なく、一人ひとりが立派に自立し、素晴らしい生き方を通し良い仕事をするために、本気で語り合える環境造り」を理念となさっているからです。しかも驚いたことに、これは参加無料なのです!私も何回か参加させて頂きましたが、全国から先生を慕う方々が集まり、和やかに学び合える、とても良い雰囲気でした。
人を教え、導くにはつくづく「背中の教育」が大事だと思います。その人の生き様を、背中で見せること。こういう混沌とした時代だからこそ、「人間力」が大事だという小松田先生の教えが、この本には一杯詰まっています。
みなさん、ぜひご一読をお勧めいたします。
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