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第303回●2008年9月7日(日)

 「名建築・海のギャラリーで出会った感動」

 土佐清水市 竜串(たつくし)にはいくつかの観光施設があります。直径9m、高さ6mで大水槽のはしりだった足摺海洋館、赤いテトラポットのような足摺海底館、レジャーダイビングスポットの海中公園・・・。
 そして足摺サニーロードの少し奥に、ひっそりとたたずむのが「海のギャラリー」、貝の博物館です。日本でも珍しい世界的に希少で貴重な貝類展示館で、8万点あまりの貝を展示しています。 建物は貝殻の構造を巧みにとり入れた合掌造りで、海を象徴しているようです。

 

 ここは1966年にオープンし、70年代には多くの観光客でにぎわいました。しかしその後 入館者が減り続け、2001年には廃館の危機に立たされます。しかし、ここを設計した女性建築家の草分け的な存在である、故・林雅子さんの名建築を残そうという全国的な運動がなされ、2005年、日本財団の支援できれいに修復がなされました。

 林さんは「貝殻を一番美しく見せるにはどうしたらよいか考え、海の中で貝を見るように設計した」そうです。1階奥の照明は、きらきらとゆらめく小さな光がゆっくりと回って海の底から海面を見上げているようで、とても幻想的でした。これも、海の中の光のゆらめきを再現したかった、林さんの熱い思いの表れのようです。
 この階段は、コンクリートの斜めの柱が支えているだけという、とても珍しい構造だそうです。確かに、建物の真中に邪魔になる柱がないんですよね。

 階段の下から2階を見上げたところです。この荘厳な雰囲気は何なのでしょう・・・。

 まるで、外国の古い教会を思わせるような感じでした。中央の天窓から光が、青を基調とする館内に降り注いで、まさしく海の底から上を見上げている感じです。

 2階の天窓の真下には上下ガラス張りの展示ケースがあり、貝を表裏両面から見られる工夫がなされています。

 私は今までにも何回かここを訪れたことがあったのですが、こんなに素敵な建物だったっけ?と、改めて感銘を受けました。


 1階から見上げると、こんな感じです。まるで、透明な海の中にいるみたい。

 ご覧下さい、貝ってこんなにきれいな色をしているんですよー。天然の貝の美しさを、改めて教えられた思いでした。

 そういえば私が子供の頃は、毎年足摺に来て泳いだり、こういったきれいな貝を拾い集めていたりしたものでした。

 ・・・つくづく思ったのですが、ディスプレイって、本当に大切ですね。同じものでも、ディスプレイの仕方ひとつで生きたり、死んでしまったりするものですが、ここのディスプレイは本当にきれいでした。
 貝だけでなく、ウニの殻もあります。紫やピンクなど、まるで小さな手まりのようで、なかなかきれいでした。こういうのをガラスのテーブルの中にディスプレイしたら、どんなに素敵でしょう。
 これはリュウグウオキナエビスという、とても貴重な貝だそうです。大昔、貝は貨幣の代わりに使われていたわけですが、その美しさを見ていると それもうなずけます。
 しかし、どんなに建物が素晴らしくても、それに携わる人の質がそれに負けていては、興ざめです。ここの施設は、その点でも素晴らしかったのです。

 実は、ここを訪れたのはもう閉館時間を5分過ぎた午後5時5分でした。「もう時間を過ぎているから・・・」とは思ったのですが「もう駄目ですよね?」と恐る恐る聞くと、さわやかな笑顔の青年が「構いませんよ、どうぞ」と招き入れてくれたのです。その「もてなしの心」が嬉しくて!

  職員さんかと思いきや、たつくし海中観光株式会社の営業部長さんでした。現在ここは、竜串観光振興会が運営を任されているそうで、地元の方々がここを守ってくださっているのです。館内の貝や建物の説明もとても丁寧にしてくださって、感激しました。
 
 そこには、「もっと竜串の良さをアピールしていきたい」という熱い思いが感じられました。こういう素敵な方との出会いが、コミュニケーションの楽しさでもあります!

 

 というわけで、皆さんも足摺方面にお出かけの際には、ぜひお立ち寄りください。
中でも 建築に興味のある方は、必見ですよ!


 海のギャラリー 営業時間:9〜16時(7・8月は〜17時)
入館料500円 休館日 木曜日  0880-85-0137

 

 
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