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第33回●2003年6月21日(土) 「720分の1の確率、1億分の1の現実 」


 今日はちょっと面白い話をしましょう。私が中学校2年のクリスマスの頃です。仲の良い女の子6人で、ある家に集まり、クリスマスケーキをみんなで作ることになりました。焼き上がったケーキはふくらんでいかにもおいしそう!!でした。ところで、「ケーキは、冷ましてから泡立てた生クリームを塗りましょう」と料理の本には書いてあります。なぜか?私たちはそんなことを知らずに、熱いケーキにこてこてとクリームを塗ったのでした。するとクリームはまるで、アイスクリームのように、とろとろに溶けて流れてしまったのでした。ゲッ!?こんなはずでは…。

気を取り直して、ケーキカットです。不揃いですから、ゲームで勝った順番にケーキを取っていくことにしました。トランプゲームをやっている最中に、誰かが「この勝った順番が、結婚の順番になったりしてねー」と冗談を言いました。そのとたん、みんな急に真剣になり、キャーキャー言ってゲームに熱中したものでした。結婚願望が強かった私は一番に勝ち、大満足でした。

時が流れ、6人グループも結婚の時期を迎えました。偶然、一番最初に結婚式を迎えたのは私でした。誰からともなく、「あのときのゲームの順番はどうだった?」という話になり、それぞれの順番を思い出しました。驚いたことに、グループでは3番目まで結婚の順番が決まっていたのですが、それはゲーム結果とぴったり一致していたのです。計算してみると、120分の1の確率です。みんな、その偶然に驚きました。そして、その後どうなったかというと…、見事にその通りの結果になったのです!確率でいくと、なんと720分の1です。不思議な気持ちになりました。

こぐまのケーキ屋さん

もちろん、心理的に多少その影響はあったかもしれませんが、中学校の時のゲーム結果を尊重してわざわざ自分の婚期を変える人はいませんよね。
「ねえ、結婚式の時期、来年に伸ばさない?」「なぜ?」
「実は中学校の時のゲーム結果では、結婚は◯◯さんの後になるはずだったから」って、そんなのありえない!でしょ?

 また時が流れ、私は最初の子どもを授かりました。その子が1歳の時、脳性麻痺という病名がつきました。千人に1人といわれる病気です。ところがその上、同じ頃に重症筋無力症という、10万人に1人という病気も併発したことがわかりました。確率で言うと、1000分の1×10万分の1=1億分の1です。つまり、こういう障害の子は計算上日本でただ一人である、ということになります。1億分の1というと不思議に運が悪いとか、なんでこの子が…とか思わないんですね。「それがどーした?」と開き直っちゃうというか。日本でこの子1人、と思うと「すごい!これはもう立派な個性じゃないのー」と、脳天気な母親は半ばカンシンしたのでありました。

確かに1億分の1の現実は決して楽なものではありませんでしたが、そうだったからこそ、私はすぐに気持ちを切り替えられたのかもしれません。(ま、そうじゃなきゃやってられなかった、というのもありますが。)
ちなみに、私は宝くじはいっさい買いません。その心は、もうこれ以上の大当たりが出るはずはないから〜♪

 

 
 
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