HOMEへ戻る 研究所案内研修プログラム実 績セミナー情報お問合せ
|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
ウィークリーN
 

第360回●2009年10月17日(土)

 「地方における企業経営の大変さ」 

 先月末、高知では有名なカフェとブティックの複合店「いちとにぶんのいち」が破産しました。婦人服や雑貨を扱う喫茶店というコンセプトは時代を先取りし広く受け入れられ、県内で4店舗を展開し、平成18年のピーク時には7億円以上の年収があったそうです。
 しかし景気減退による消費低迷で減収が続き、今年の上半期で負債総額が約5億円にふくらんだとか。

 中でも芸西にある「いちのにぶんのいち view」店は太平洋が目の前に開ける眺めの良さから、以前は空き待ちをしなければいけないほどの人気店でした。ブティックは高知では数少ない23区などのブランド衣料も扱っていたりしたこともあり、私も4店舗を回って服を買ったりしたものです。

 しかし、カフェの味は今ひとつで、正直値段の割にはおいしくなかったです。服や景色を見るために行っていたようなものでした。衣料品はやはり利益率が高くても、在庫を抱えてしまうので大変なのでしょうね。破産が新聞に出る2日前にもサティの「いちとにぶんのいちプラス店」に行っていたのですが、可愛らしい店員さんがいて屈託なくおしゃべりしていたのが心に残っています。急に勤務先が破綻して、彼女はどうしているんでしょう…。

 確かにここの顧客対応には、少し問題がありました。端的な事例は2年ほど前、母が本店でパンツを買い、丈直しをして自宅に発送してもらったのですが、はいて出かけると足がチクチクする。裏返してみるとなんとマチ針が刺さったまんまだったそうです。すぐに電話すると責任者の女性が出たそうですが、お詫びの一言もなかったとか。丈直しは下請けに出していて、それを請け負っていた女性がすぐにお詫びに来たそうですが、管理職として、お詫びも言わないというのは果たしてどうなのか?と疑問に思ったものでした。…でも、破産してしまったのは本当に残念です。

 10月上旬には、もっと驚くことがありました。高知新聞に「ウトコディープシーテラピーセンター&ホテル」が11月から別の業者に運営を委託する、と出ていたのです。「ええー!あのウトコが!?」と大ショック。一度しか行っていませんが、(WEEKLY 第265〜268回)大好きなホテルなのです。 これまで約3万人が利用し、高知県東部の経済活性化に貢献しているものの、やはり経営は厳しい状況のようです。

 そこで、全国でリゾート施設などを経営する長野県の星野リゾートグループに運営を委託するそうです。星野リゾートグループは主に経営が傾いた大型施設を引き受け、徹底したマーケティングと顧客満足向上などにより、リゾート再生を果たしています。星野社長は「エコリゾート経営のカリスマ」 とも言われ、自然との共生をテーマにニッチ戦略をとり、新しい形のリゾート経営を確立しています。 ひょっとすると、星野リゾートグループが引き継ぐことにより、ウトコも新しいステージにステップアップできるかもしれません。

 折も折、室戸市で2日間の研修を請け負っていたので、ウトコディープシーテラピーセンター&ホテルの現状を見てみたいと思い、行って来ました。現場の従業員さん43人は、現行の雇用条件のまま、星野リゾートグループに転籍するようです。しかしまだ新聞発表以上のことは何も知らされていないとか。それもそうなのでしょうね…。

 久しぶりに訪れたウトコは、やっぱり感激するほど素敵でした。スタッフは笑顔で「お帰りなさいませ」と出迎えてくれ、部屋の外には一面、前と同じ穏やかな海が広がっています。食事は健康的なのに本当に美味しいし、海洋深層水を飲んで、本当にリラックスできました。

 実は私、2年前にここに1泊して以来、「いつかウトコで2泊してみたい」というのが夢だったのです。幸せ〜。残念ながら朝から夕方までずっと仕事、というのは想定外だったのですが(笑)、でもまあそんなに何から何までも望むって言うのは罰が当たるってモンでしょう。で、仕事を終了すると素早くモードを切り換え、楽しんできました。
 というわけで次回は、ここのレストラン"Bonne Peche"(ボンヌ・ペッシュ)のお食事をご紹介しますね。地元の海、山、里でとれた新鮮な食材を活かしたお料理は、私は高知県内ではここが一番だと思っています。お楽しみに。
 地方での企業経営はより厳しさを増していますが、本当に価値のある、頑張っている企業は応援したいですよね。ウトコは本当に素晴らしいホテルなので、少しでもその魅力を沢山の方に知って頂ければと思っています。

 
ご意見・ご感想お寄せください!
 
 
ページの先頭に戻る
人材育成研修・各種セミナー承ります。
Copyright(c)2002 人・みらい研究所 All rights reserverd.