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第382回●2010年4月4日(日)

 折り紙 」

(中村 覚)  

 先日、小学生の甥が家に来た際に、折り紙を一緒に折ってみました。子供の頃は人並みに折り紙で遊んだ記憶はあるのですが、誰しも大人になるにつれて遊ばなくなるのではないでしょうか、私もその中の一人です。だから本当に久しぶりの折り紙でした。
 四角い折り紙をまずは半分に折って、また半分に折ってとやっていく内に「あれ? それから、えぇと・・・」子供の頃にはお手本を見ずに簡単なものなら(やっこさんやコップなど)作ることができたのですが、あまりに久しぶりだったため、さっぱりダメでした。しかももっと自分で驚いたのは角を折る時に、昔のように上手に折れなかったことです。点と点をあわせるようにしてサッと鋭角に折る、こういうのは得意で子供の頃は「上手に折るねえ」と褒められた記憶もあるのですが・・・。

 こうやってあらためて何年ぶりかに折ってみると、「日本の折り紙の文化って、いいねぇ、けっこうやるじゃん」と再確認した気分でした。子供の頃にはこういう感覚はもちろんなかったので、再発見でもありました。なんの変哲もない紙をある形に変えていく、まるでマジシャンみたいだなと。

 それに子供心に帰るということではないですが、「初心」に戻るような感覚もあって、折り紙はこれからもちょくちょくやった方がいいかなと思っています。

 例えば何か難しい作品を時間をかけて悩みながら作ったとします。でも、できあがった時の満足感というのはハッキリ言ってしまえば自己満足でしかないと思うのです。でも、この自己満足こそ自分の中の大事な価値観かなと。大人になってからの時間が長くなると、資格取得や収入アップにつながる行為などは別ですが、その他の行為に対して、「○○ができたからといって、一体何になるのか・・」と、ついつい冷めた捉え方をしてしまうことがあるように思います。こういう自分の軸のブレ(?)を修正する意味でも、折り紙などの子供の頃に親しんだ物というのは効果的かなと思いました。


 そう言えばアメリカの大ヒットドラマ「プリズン・ブレイク」でも、主人公が折り紙の鳥に思いを託す印象的なシーンがありました。今や、グローバルに活躍している折り紙です。

 また最近では、ホテル業界で見かけることも珍しくありません。

 普段はお客様とお話する機会があまりない客室係の方が仕事を完了した後、客室に置いておく折り鶴で、お客様から直接お礼を言われることもあるそうです。その他では掃除点検の際に部屋にお戻りになっていたお客様とお会いした際に、折り紙を渡しながら不都合がないかをお聞きすると、たいていのお客様が笑顔で応えてくれるそうです。

  また季節に応じて客室の折り紙を代えているところもあるそうです。その中で折り鶴が活躍するのは2月です。この時期は受験生が多いので合格祈願の意味合いで!とのことです。
 長崎のホテルなどでは、宿泊なさる皆様に平和の気持ちを千羽鶴に託してもらおうと、ロビーに折り紙を用意しているとか。そして集まった鶴は平和公園に寄贈するそうです。

 ところで折り紙の日というのをご存じでしょうか?11月11日が世界平和記念日ということで、日本折紙協会が制定したそうです。この日にちなんで、その前後の日に折り紙を折っていいただいたお客様には朝食券をサービスするホテルもあるようです。そしてその折り紙は大切にフロントで飾られるそうです。

 このように私の知らないところで、だいぶ顔を売っている折り紙でした。

 もともとは小さな一枚の紙切れなのに、形を変えると人と人とをつなぐようにまでなり、しかも贈っても贈られても遠慮がいらない。折り紙は子供だけに遊ばせておくにはもったいない代物です。

 

 
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