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第384回●2010年4月18日(日)

 新入社員の人間力について」

 春のこの時期は、月末まで恒例の新入社員研修が続きます。

 先週、ある病院の新人研修にはインドネシアからの看護研修生が2人いました。合同新入社員研修で外国からの研修生はもう珍しくないのですが、病院の新人研修では初めてです。言葉の意味がわかるかなぁとか 心配しながら進めていましたが、2人は隣の人に時々質問しながら、笑顔で熱心に聞き入っていました。

 クッション言葉の例文発表のジャンケンで たまたま勝ち残り、発表をすることになった時も、
「申し訳ありませんが、まだ日本語がうまくできませんので もう一度教えて頂けないでしょうか?」 と 完璧な例文を発表し、自然に拍手が起こりました。

 後で、2人に少しだけお話を伺ってみました。「日本語は漢字が難しいです」と言いつつ、日本に来てからわずか5か月だったのには驚きました。 きれいな日本語を話し、 受講態度もとても熱心な2人を見ていると「人間力」がいかに大事かということが改めて心に響きました。言葉の不充分なところもありますが、ニコニコしつつ一生懸命で、誠実な人柄が伝わってくるのです。患者さまもホッとなさるのではないでしょうか。師長さんも「2人の笑顔が素晴らしいんですよ」と誉めていらっしゃいました。

 名札を付けていましたが、本名が長くて読み取りづらいので きっと患者さまも同じではと思い、「短い愛称をカッコ書きで下に書くのはどうでしょう?」と提案すると、「それはいいですね」ということになりました。

 「普段、看護の現場で心がけていることは何ですか?」と2人に聞くと、「あいさつ、笑顔、患者さんの名前をお呼びすること…」、きちんと最初のポイントをつかんでいます。それもそのはず、彼らは母国では看護師歴7年と13年のベテランなのです。

 様々な新入社員研修をしていると、以前に比べてマナーが良くなくて 人間力が落ちてきているな、と感じることもあります。でも、決して彼らに悪気はないので、「なぜそれではダメなのか」、私達も根気よく教えることが大事なのだと思います。


 たとえば、コミュニケーションにおいて。グループディスカッションは総じて苦手のようです。いくつかの課題を出しても、15分もすればみんな黙り込んで座っています。やる気がないように見えますが、聞いてみると「もう、終わりました。」と言うのです。ディスカッションとは「一通りみんなが意見を言って、ちょっとまとめれば終了」と思っているようです。

 

  「学生時代ならそれで良かったでしょうが、社会人になったら最低レベルをクリアするのではなく、時間内に最高の意見を練り上げていくものなのですよ」と話します。するとみんな素直なので、そこからまた新たな展開が始まり、コミュニケーション力も培われていきます。

 今年のある2日間研修の初日のことです。受講生は40名ほどいたのですが 総じておとなしく消極的で、休み時間でさえ静かでした。そこで「もっと積極的になりなさい」とハッパをかけ、ふれあいの交流時間を少し持ちました。その日のレポートには、「人間と人間がふれ合うと、自然と笑顔が出ることに気付きました。」というものがあり、私は意外でした。これまで、そういう体験があまりなかったのでしょうか?

 
そこで2日目、「今日のテーマは積極的に行動すること!」と宣言し、よりコミュニケーション力強化にシフトすると、前日とは打って変わって受講生達が元気になり、笑顔が溢れました。レポートには「積極的に行動することがなかなかできなかったけど、この講座を受けて少し変われたと思う。」「ここまで人間が仲良くなれるとは思いませんでした。」といった感想が並びました。
 
 私も、とても勉強になりました。今の若い世代は決して触れ合うことが嫌いなのではなく、ただ単に慣れていないだけで、実はそれを欲しているのではないかと。そういう可能性を引き出せる研修メニューを開発していかなければ!と思ったのでした。

 良いきっかけを頂きました。関わらせて頂いたみなさま、ありがとうございます。

 

 

 
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