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第431回●2011年3月20日(日)

「心を感じる報道、込められた想い」

 3月11日の心が凍り付くような東日本大震災から9日経ちました。被災者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。被災地の皆さまの心身ともの疲労はピークだと思います。岩手の友人曰く「あまりの余震の多さに生きた心地がしない」と…。

 そんな中、必死で災害復旧に携わる自衛隊の皆さまや各国からの救援隊の皆さま、福島原発の現場で被ばくしながら使命を全うしていらっしゃる皆さま…、本当にありがとうございます。どうぞ、十二分にお体にお気を付けくださいますようにお願いいたします。

  今回の出来事は、日本中を大きく変えました。原発事故、輪番停電、節電、株価暴落(なのに円高)、食品の放射能検出…。卒業式が中止になった学校や、被災企業での就職内定取り消しまで、様々な辛い出来事が次々に襲いました。

 しかし未曾有の大災害の中、「今の私に何ができるのか?」と自問自答して、募金活動をしている若い人たちは一縷の希望です。そしてこんな大混乱の中でも暴動・略奪がない日本のマナーの良さに対し、「こんな時に、日本人はすごい!」と世界中から驚きと賞賛が寄せられ、支援や寄付金もたくさん寄せられています。世界中の方々の優しさに、ただ胸を打たれます。ありがとうございます。

 私も今は募金・節電・祈ることくらいしかできません。14日に少しまとまったお金を募金しましたが、以来「募金箱を見かけるたび、最低100円は募金し続けよう」と決め、コンビニ・スーパー・街角・学校などで実行しています。続けていくことも大切だと信じて。

 今回の地震での大きな特徴は、ネット上での様々な情報です。ツイッター、携帯メール、webニュース、災害用伝言ダイヤル…。それらから色々と役立つ多くの学びも頂きました。

「エアコンのフィルターを掃除すると6%節電できることも」
→早速、実行しました。

「【被災した方へ】避難所では、「地震が来た、逃げろ」といって「地震ごっこ」をする子どももいます。恐怖体験を乗り越えるための遊びの一つなので、周囲は目くじらを立てず見守ることが大事だそうです。臨床心理士からのお話でした。」
→これ、知らなかったら私は絶対に目くじら立てていると思います…。

「国土地理院のホームページで、東日本大震災による被災地の空中写真を公開。親戚と連絡がつかない人から「写真で地域が被害を逃れたのを確認できた」との声も。同院は「安否の確認に少しでも役立てて」

グーグルの地図と比較して見ると、現状がよくわかります。グーグル地図に住所を打ち込むと、以前の地形の写真も見られますから、見比べると、水没したかどうかがおおよそわかるのではないかと思います。

「【被災された方へ】海水に浸かった車/JAFに聞きました。いきなりエンジンをかけてはいけません。海水は電気を通しやすく、電気系統の漏電で火災が起きる恐れがあるためです。HPを参考にしてください。」

→ボンネットを開け、海水に浸っているようであれば、火災防止のためバッテリーのマイナス側のターミナルをはずし、はずしたターミナルが、バッテリーと接触しないようにしてください、とありました。

「停電から復旧する際、一気に電流が流れることによって、コンセント等から火花が出、通電火災になる場合があります。阪神大震災での出火原因の6割はこの通電火災であるとも言われています。ブレーカーを落として避難しましょう。ブレーカーの復旧方法はこちら。」

 等々…。「へえ〜っ」と思ったり、「ああ、そうだった」と確認したりでした。大変な状況でも力を合わせ、良い方向を目指そうという想いが伝わってくる情報は、人々を勇気づけ、力になります。

 反対に、地震から1週間後の昨日の朝日新聞に掲載された週刊現代の広告見出しには唖然とさせられました。

○被曝拡大「全情報」福島原発これから始まる「本当の恐怖」
○仙台在住 伊集院静 「被災地・宮城から見たこの国」
○菅直人、あんたという人は
○被災地からの報告
○次の大地震はいつどこか
○緊急シミュレーション 東京に巨大津波が来たら

 何ですか、これ!?「被災地からの報告」よりも「東京に巨大津波が来たら」の字の方が大きいんですよ?全体の内容も被災地よりも東京にスポットを当てたようで、「東京中心思考」には、辟易させられました。被災者へのお見舞いの言葉は一番端っこに小さく「謹んで東日本大震災のお見舞いを申し上げます。講談社では売り上げの一部を寄付するとともに、救援金を募っています。詳しくは…」という文章が載っていました。

 対してライバル紙の週刊ポストの広告。広告の大きさは現代の半分ですが、「東北関東大震災において、被害に遭われた皆さまに心よりのお見舞いを申し上げます。また、被災地において昼夜を分かたず被災者援助をはじめとする災害対策に全力を尽くしていらっしゃる皆様に深く敬意と感謝の意を表します。あらためて被災地においては一日も早い復旧と、皆さまのご無事を、心よりお祈り申し上げます。」…ジャーナリズムたるもの、文章に込められた「想い」が重要だと感じました。

○日本を信じよう 悲しみを乗り越えて、私たちは必ず力強く蘇る!
○私たちは何を考え、どう行動すべきか
○「原発職員は被曝で死ね」と恫喝した菅直人「亡国の7日間」
○「縮み志向」の日本よ、生まれ変われ
○「非常事態省」を立ち上げろ

 目次から比較すると、現代の内容はただ不安を煽るのに対し、ポストの内容には前向きさが感じられます。私はこうした週刊誌は読みませんが、ポストの方に品格が感じられたのは当然のことです。いざというときに、そのメディアの本質が露呈されると感じました。

 名もなき国民でも、想いを込めたツイッターで多くの人を勇気づけられます。文章の持つ力を改めて感じ、僭越ですが他山の石(自分にとって戒めとなる他人の誤った言行)としたいと思います。

 

 
 
 
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