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(中村 覚) |
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東北地方太平洋沖地震で被害にあわれた方々には心からお見舞い申しあげます。
いまだに断続的に発生している地震や、人災ともいえる原発の問題も深刻です。
まさかこれほどの震災が起こるとは誰も想像もしていなかったと思いますが、人は不安や心配事をそれほど悲観的に考え、毎日を送っているわけではありません。こういった思考こそが暮らしていくチカラであるとも思います。
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実は震災前にたまたま、土佐市の谷地(やつじ)にある穴地蔵(正式には岩屋地蔵)にお参りに行ってきました。 |
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本来であれば国道56号線の土佐市甲原から県道53号線で行く道がわかりやすいですが、今回は国道33号線から県道291号線を通る日高村経由で行ってみました。
県道291号線は、最後6kmほどが未整備で、ご覧のような1車線です。
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県道291号線から53号線に出るとこのように標識もあり、この後は1km足らずの一本道です。ですからこの標識が確認できれば、後はもう着いたも同然。 |
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お地蔵様は、この写真に写っている一本杉を左に入って500mほどの所にあります。 |
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車を止めて小道を上がって行くと、お地蔵様が並んでいます。このお地蔵様はここで願い事を聞いてもらった方々が奉納したもので、冬の時期は寒いからと地元の方が帽子などを着せています。 |
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看板があり、ここの由来が書いてあります。
昔、藩政のころ、江渕某という郷士が石地蔵を奉納するため法華寺へ持って行ったのですが、「出来が悪い」とそこのお坊さんに石段から投げられてしまい、二つに割れました。この割れた石像を合わせて祀ったのが始まりだそうです。
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なんとも「がいな(荒っぽい)」話です。しかも投げたのがお坊さんとは恐れ入ります。
そしてこの由来との結び付きはよくわかりませんが、ここのお地蔵様は人体の穴(耳や鼻など)に関わる病気にとてもご利益があるそうです。 |
ところが私は現地を訪れるまで、こういった云われや人体の特定部分にご利益があることなど全く知りませんでした。しかもここの主(?)がお地蔵様だということも。「よく効く、なんでも聞いてくれるトコ(神様)がある〜」と耳にして、来てみたというのが実情です。
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ですから、ここに祀られているのは神様だと思い込み、お神酒を用意して行きました。単純に神様にはお酒かなと。しかしお地蔵様だったわけです。お地蔵様は一般的に「子供の神様」とされていますので、「そのお地蔵様にお酒はいかがなものか?」とも思いましたが、でも「まぁ
気持ちなので」と、お供えをさせてもらいました。 |
しかし例えば、お稲荷さま(きつねの神様)にはアゲをお供えするように、多分、それぞれに適したお供え物があるのだと思います。これが例えば人とのやり取りなら「○○さんは、りんごより苺が好きだから」ということを知っていれば、もちろん苺を渡すに違いありません。
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実はこのことを強く感じたのは、この穴地蔵さんの願ほどきの方法を知った時です。なんともそれがユニークで、穴の開いた石を奉納するのです。穴というのは「凹み」ではなく「貫通」を意味します。ところが穴の開いた石と言われても、すぐに思い付くのは匂玉ぐらいでした。石というよりアクセサリーっぽいですが、お店ですぐ買えて手頃だと思ったからです。しかし匂玉は人が加工した石になるので、それよりは自然の状態のものが良いそうです。 |
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写真をご覧ください。穴の開いた石です。探せばあるものですね。しかし、こういったものでなくても珊瑚礁の石なら自然のままで、比較的手に入りやすいと思います。 |
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でも最初は「珊瑚礁?」と疑問でした。しかし珊瑚礁の「礁」には岩石という意味があるそうなので、りっぱに石なんですね。 |
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こういったお礼の仕方を考えると、「郷に入っては郷に従え」だなと思います。
今回の地震もそうですが、目に見えないものや大自然のような人知を越えたものに対する時は人間は一歩控えめに、ということを忘れてはいけないのではないかなと感じました。 |
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