数年前のことですが、あと1週間ないけれどレストランをオープンするので、なんとか飲食接客の基本を6時間でやって欲しいというご依頼がありました。私はその分野は専門ではないからと申し上げたのですが、そこを何とかと言われ、間に立たれた方のこともあり、結局お引き受けしました。急遽、東京の専門家の先生に教えを請い、何とかレジュメをまとめて、当日、車で2時間半ほどかかって現場に行ってみると、…何とまだレストランは完成していなかったのです。社長は、「まだできていないから、2時間でレストラン研修をやって、午後は隣のうどん屋で研修をして」とおっしゃいました。『な、なんですってぇ〜〜!?当日急に内容変更を言われても無理ですよ!』と叫びたいのをぐぐっとこらえ、言われたとおりにいたしましたが、せっかく準備していった内容はほとんど使えず、不完全燃焼に終わりました。
このことから二度と同じ失敗はしないぞと、深く反省した次第です。
逆に、忘れられない研修を一つご紹介します。やはり数年前、高知県内のとある第三セクターでの研修会でした。研修の最後に各グループに別れて、お互いメンバーの長所をほめ合う、ということをしたのですが、研修レポートに若い社員の方がこう書いていたのです。
「僕は、今まで自分のことがとても嫌いでした。でも、今日初めて他人からほめてもらえて、これからは自分のことが少し好きになれそうです。ありがとうございました」
私はこれを読んだとき、不覚にも涙が出て来てしまいました。このメニューを入れておいて良かった。この方に、今日来て頂いて本当に良かった。これによって少しでも自分を好きになってもらえたら素晴らしいことだ、と思えたのです。研修は、講師だけが作るものではありません。
受講者と講師の共同作業なのです。
これからも、自分にできる精一杯の研修を常に心がけたいと思っています。
そしてそれが少しでも、何かを残せるよう、頑張ります!!
みなさま、人・みらい研究所をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
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