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第480回●2012年3月2日(金)

 高知県 東西おひなさま巡り」 

 この時期、あちこちでひな飾りをする地域の取り組みが多くなりましたね。
高知県でも、西では 「四万十街道ひなまつり」(津野町・梼原町・中土佐町・四万十町・四万十市)をしていますし、東では「土佐の町家雛まつり」(安芸市・安田町・田野町・奈半利町・吉良川町・北川村)を行っています。

 というわけで、東西のおひなさまを訪ねてみました。

 
 こちらは、西の四万十町(旧・窪川町)の古民家半平(第466回)
庭を見つめて、物思いにふけるようなおひなさまが玄関脇で出迎えてくれます。


 大きな広間いっぱいに、様々な時代のおひなさまがにぎやかに飾られています。
なかなか見応えがあります。
 こちらは一番古いであろう、江戸時代後期のおひなさま。お内裏様の笏(しゃく)も無くなっていますが、おひなさまの顔つきや冠飾りが、いかにも時代を感じますね。
 ひな道具の貝合わせ。ハマグリの内側に美しい模様を描いてあります。貝を両片に分けて、今の神経衰弱のようにピッタリと対になる貝を探した、昔の雅な遊び道具です。
今もきれいですが、作られた当時はさぞ美しかったことでしょう。
 さて一方、こちらは東の奈半利町です。
訪れたのは登録有形文化財の、濱田典弥家住宅です。国道55号線から少し南に入った所で、ちょっとわかりにくい場所にありますが、昭和9年に建てられたお屋敷が見事です。この期間だけの、限定公開です。

 庭に置かれた赤い毛氈(もうせん)と番傘が本当に美しいでしょう?
まるでポスターみたいです。こちらのひな飾りは毎年置き方を変えられ、工夫なさっていらっしゃるということでした。
 こちらは漆の家紋付き三宝に乗ったおひなさま。前の官女は竹筒に乗っています。
後ろにある黒い箱は、甲冑などを入れる道具箱だとか。 時代を感じさせます。
 こちらでは和紙で作られた人形が沢山飾られています。おひなさまと言えば赤い毛氈が定番ですが、あえて青の敷物の上に人形を据えることで、深みと品が出ています。
この人形はすべてこちらの奥様の手作りだそうですよ。

 余談ですが、こちらのお屋敷には日本に開国を迫った、あのペリー提督の子孫の方が残したサインがふすまにあります。

 また、ケーキセットがなんと300円!古い九谷焼のお皿も愛でられます。


 同じ奈半利町には、国道沿いに「高田屋」という古民家カフェがあります。以前から立ち寄ってみたかったので、訪ねてみました。
 入ってすぐ、美しい打ち掛けと着物に目を奪われてしまいました!今ではもう見かけられないような手の込んだ友禅染めに、一緒に行った母と次女は歓声を上げて見入っていました。昔の着物って、色も本当に美しくて素敵です。
 この白い打ち掛けの鳳凰は、70歳のご当主のおばあさまが、当時ご自分で刺繍なさったものだそうです。こちらのお宅では、親子3代がこの打ち掛けで嫁がれたのだとか。

 床の間に飾られていたおひなさまは、可愛らしいミニサイズのものでした。(時代は不明です。)小さな道具類がよくできていて、木の鏡台、タンスなどは引き出しが開きます。

 抹茶セット(400円)を頂きました。


 個人的に一番懐かしかったのは、奈半利町の増田屋(旧呉服屋)に飾られていた、
御殿飾りと言われるひな飾りで、私が子どもの頃家にあったものとほぼ一緒でした。
私の物は何十年も前にとうになくなっていましたので、見ていると時がさかのぼり、幼児の頃のわくわく感が蘇るようでした。

おひなさまって、幸福な子ども時代の象徴のような気がします。
来年もまた訪ねたいなと思いました。

 

 
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