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第483回●2012年3月24日(土)

 金目鯛〜命をいただく」 

 友人が伊豆大島で金目鯛を大量に釣ったからと送ってきてくれました。なんと、トロ箱に10尾も!運悪くこの日は大学と県の審議会が夜まで2つ重なっており、魚をさばける知人にかなり取りに来てもらったのですが、それでも帰ってきて10時頃から、臨時の魚屋さん状態に…。(笑)

 最近、あまり魚をさばいていないので大丈夫かなぁ?

 金目鯛は水深300mを越えた深い所にいるため、「深海の舞姫」とも呼ばれる高級魚です。旬は12月から3月。室戸でよく取れる白身の魚で、綺麗な大きい目が印象的です。頂いた物は45cmくらいの大きさがありました。出刃包丁を研いで、いざ勝負!

 まず、ウロコを取ります。スーパーの袋に入れてガシガシやると、ウロコが周囲に飛び散らないので便利です♪写真でおわかりでしょうか?金目鯛のウロコって、少し赤くて、きれいです。

 頭を落とします。(自分で写真を撮りながらなので、いささかやりにくい…)

薄手のゴム手袋があったので使ってみましたが、便利でした。金目鯛は身が結構やわらかくて脂が多いので、手がベタベタするんです。水仕事でふやけた手はヒレや骨で傷つきやすいのですが、それがかなり防げました。

 2枚におろしたところです。鯛と違ってあまり骨が硬かったり太かったりしないので、おろしやすいなあと感じました。
 意外だったのはこれ!金目鯛って、腹黒いんですよ〜。(笑)ご存知でしたか?
内臓をのけると腹の膜が真っ黒だったのでびっくりしました。この腹骨を、包丁ですき取ります。
 骨を切る時のコツは、軟骨の部分(白く少し盛り上がっている所)を切ることです。
でないと硬くて、なかなか切れません。それでも大型のブリなんかだと、一苦労します。

 内臓やエラを取る作業は、気持ち悪くて「ちょっとカンベン」って女性は少なくないかもしれませんね。でも私はこういう作業をしているときこそ、「この魚の命を頂いているんだなぁ」と感じます。

 魚の内臓やエラなどをたくさん処分するのは、生ゴミ処理機が大活躍しました。(その後粉末になると、庭の良い肥料に変身)

 ようやく、「スーパーの切り身状態」にこぎつけました。
ここまでの作業をしてみると、日頃いかに多くの手間が省かれているのかがよくわかり、魚屋さんに感謝の気持ちが湧きます。4尾おろし終わったら、あっという間に12時過ぎていました。

 さて、翌日の夕食のメインは金目鯛の煮付けです。調理も一手間かけるとよりおいしくなります。

 金目鯛をザルに入れ、熱湯をかけます。こうすると表面が白くなったり皮が縮みますが、旨みを閉じ込めることができます。

 合わせ調味料を作ります。まず、本みりんをお玉1杯小鍋に入れ、一煮立ちさせ、同量の濃い口醤油を加えてもう一煮立ちさせます。

 別の鍋に、お酒をお玉1杯分入れ、中火で軽く煮切ります。お玉で水を2杯、上記の合わせ調味料を1杯、砂糖を2分の1杯加えます。全部お玉で測るっていうのが、昔のお総菜っぽくて好きです。(今回は、この倍量作りました。)

 煮汁が煮立ったら、魚とショウガの薄切りを入れます。煮汁が冷たいうちから入れると、魚の身が締まってしまうそうですから、注意しましょう。
 この後、紙の落としぶたをして中火で10分煮込みます。

 

 すると、こんな感じのいい色に。火を止めて5分間、お玉で煮汁を魚にかけながら味を染み込ませます。冷めるときに味が染み込むので、これは大事なポイントです。

 できあがり。ついでにアラを焼いたもので、すまし汁も作りました。

 こうして魚をおろすところから作ると、「本当に魚の命を頂いているのだなぁ」とありがたく、金目鯛がより一層おいしくなりました。友人に感謝です。魚をおろすのは大変ですが、こうした経験を若い人たちにも是非してもらえたらいいなあと思います。

 
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