介護等体験では、特別支援学校(養護学校など)や福祉施設に行き、障がいを持っている生徒さんや高齢者の方と接します。そうした体験が非常に少ない学生のみなさんには戸惑いや不安といったものがあります。そしてその中には「障がいのある人はかわいそう」という思いを持っている学生もいます。
こういった率直な感想を表現してもらえることは私共にとってもありがたいことです。学生のみなさんと距離を縮めて向き合えるきっかけになるからです。
確かに体のどこかに障がいがあると日常生活で不便なことがあります。私の場合だと松葉杖をついていますので、主に歩行に関する不便さがあります。学生からすると、自分達がすんなりできている色々な行為が簡単にできない方に対して、「かわいそう」という気持ちが少なからず出てくるのは無理もないかと思います。
ですので、私はこの自然に湧いて出てくる「かわいそう」という感情を無理に抑え込んで「そんなことを思っちゃいけないんだ」と自分の気持ちに蓋をする必要はないのではないかと思います。
でも、だからと言って「かわいそう」と直接、口にするのは上から目線で相手に失礼にあたりますし、「かわいそう」と口にするだけでは単なる傍観者にすぎないんじゃないかとも思います。
学生はせっかく学びの一環として障がいのある方と接するわけですから、仮に「かわいそう」という気持ちがあるなら、その気持ちに一工夫加えてほしい。それを「相手へのちょっとした気配りを伴う行動」にまで発展させてもらいたい、こういったお話をさせて頂きました。