また榎本がお伺いしてお話を聴くうちに、遠慮がちに「おもえ小規模多機能支援センター」で使う、
カラオケ用のマイクを支援していただけないだろうか?というご依頼を頂きました。この「おもえ」という地域は宮古湾を囲む重茂半島内にある集落で、センター自体は高台にあって被災していないのですが、住民は被災していない人の方が珍しい…という所です。高齢者の娯楽施設というものも他になく、センターが憩いの場になっているようなのです。今までは、おもちゃのマイクを使っていらしたとのことでした。
東北の方々はとても遠慮深いので、そのようなお申し出はありがたいのです。小さなお子さんと集う機会に使うことも多いようなので、デュエットができるよう、850曲が内蔵されている物を2本、準備するようにしました。
支援にカラオケマイクやキーボード?と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょうが、ある程度時間がたった今、小さな楽しみを持ちいっぱい笑うことが「生きる力」を涵養するのです。交流分析で学んだことが、活きていると実感します。
ところがそんな中、今月九州北部で豪雨災害が起きました。24万人が避難勧告を受け、「経験したことがないような大雨」が降り続くニュースを見て、榎本も私も心を痛めていました。榎本からある日、メールが届きました。
「今回の震災を経験し、『政治』というものが動き出す速度がどれだけ鈍いか、まざまざと思い知らされました。
それに比べ、個人対個人の支援がいかに迅速で頼りになるものか、それがどれだけ沢山の人の心を支えて来たかを、間近で見て来ました。だからこそ、残っているお金は
九州、四国の被災した方々のために是非ともお役立ていただきたいと思うのです。」という榎本の提案を受け、
そうしよう、と意見が一致しました。
たまたま宮古市の若者が中心となって復興をリードしていく生活復興支援センターが、「九州北部豪雨災害支援プロジェクト」を行うことを知りました。「九州北部豪雨災害に支援を返したい」、とボランティアが行く為の支援金の寄付を募っていたので、「宮古災害復興支援活動チームM.A.D」という組織に3万円寄付させて頂くことにしました。7月31日までに目標額30万円を集めるとのこと。被災なさった方々だからこそできる支援を期待しています。
そちらの事務局の方とお話させて頂く中で、被災地で仮設住宅建設の為、子どもたちの遊び場や公園がなくなってしまった事実を知りました。そんな子どもたちの為に「出張子どもパーク」という活動をなさっていることも。こちらは本来のミニタイガープロジェクトの活動に近いと思い、そちらにも寄付を2万円させて頂くことにしました。
こうしてミニタイガープロジェクトとしての活動は、一区切り付きました。今までご支援くださったみなさま、本当にありがとうございました。今までの活動のまとめをご報告いたします。
@ 田老第一小学校と田老第一中学校の生徒合計350人に
赤、青のボールペンを計700本 、
「がんばろう たろう」のステッカーとバッジも寄贈。(コラム第440回)
A 田老第一中学校の野球部の皆さんに
野球ボールと野球用のソックスを寄贈。(コラム第441回)
B宮古市立鍬ケ崎小学校に
プール用のバッグ(128枚)とバスタオル(92枚)を寄贈。(コラム第442回)
C岩手県立宮古工業高校
野球部と、岩手県立宮古商業高校 野球部にボールを寄贈。(コラム第446回)
D宮古保育園に、マーチングバンド用アンプを寄贈。(コラム第471回)
Eふれあいステーション・あいに、キーボードを寄贈予定。
Fおもえ小規模多機能支援センターに、カラオケマイクを2本寄贈予定。
G「九州北部豪雨災害支援プロジェクト」、宮古災害復興支援活動チームM.A.Dに3万円寄付。
H出張子どもパークに2万円寄付。
合計金額 660,209 円
ささやかな支援ですが継続できたのは、ひとえに現地で活動してくれた、副代表の榎本の尽力です。震災までは他人だった彼女と、心を通わす機会を頂き一緒に活動をすることができて、本当に良かったと思います。 |