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第511回●2012年10月6日(土)

 「ウルトラマンアート!時代と創造」 

(中村 覚)

 毎回、いつもそうなのですが、コラムに何を書けばいいのか迷います。いや迷うではなくて本当言うと、書くネタがないのです。もうずっと前からないのです。「あっ!」と驚くような珍しいことに出会えれば、そのことを書けばいいのかなとも思うのですが、平穏無事な毎日はそう甘くありません。「UFOにでも遭遇しないかなぁ」と切に願う日々です。UFOがダメならUMA(未確認生物)、それもダメなら幽霊とか妖怪とか、果ては怪獣まで・・・。



 そんな悶々とするある日、「もしかしたら怪獣は見られるかも」そんな情報が入ってきました。高松に行けば見ることができるかもしれない。9月15日〜10月28日まで高松市美術館で「ウルトラマンアート!時代と創造」展が開催されていることを知ったのです。ウルトラマンから怪獣に辿り着くのはそう遠くないはず。実は前々から怪獣のユニークなデザインに興味を抱いていたこともあり、高松に行ってきました。
 美術館といえば絵画や彫刻のイメージがあるのですが、ウルトラマンも美術館入りする時代なんですね。
 この展覧会はアートの視点を通じてウルトラマンを作った円谷プロの仕事の魅力に迫るというものです。実際に撮影で使った立体模型や(怪獣の頭部など)、当時の現場での記録写真、怪獣や宇宙人のデザイン画、そして番組終了時に再制作されたウルトラマンや怪獣のスーツなど約400点が展示されています。
 ウルトラマンのスーツ(着ぐるみ)の背中部分にはチャックが付いています。(子供には知られたくない大人の事情です。)そういった舞台裏にスポットを当てたような展示内容ですので、子供さんより大人が楽しめる内容に仕上がっています。もちろん子供さんも楽しめるとは思いますが、展示内容は、「 ウルトラQ(1966年) →ウルトラマン(1966年)→ウルトラセブン(1967年) 」と初期の3作品のみです。最近のウルトラマンは全然いません、許せ ちびっ子達よ。
 展示ブースは数か所あり、最初のブースのみ写真撮影が可能です。もちろん展示物に触れることは禁止されていますが、ウルトラマンや怪獣とツーショットで撮影できる機会はそうそうありません。
 スタッフの方にお話を伺うと30代〜40代のお客さんの層が一番多いということでした。土・日は小さな子供を連れたお父さん達が多く、来場者は1日に1000人を超すそうです。熱心な方はもう何度も会場に足を運ばれ、こだわりのカメラで色々な角度から展示物を撮るようです。そのため一つの作品の前からなかなか離れない方もいらっしゃるみたいです。
 特にこちらの飛行機の模型が大人気で、あまりに近づき過ぎて撮影する方が多いため、会期途中から展示物の前に白線を引いたとのことです。

「展示物には触れない」というルールを守りつつ、納得のいく写真をギリギリのところで撮るお客さん、それに対して白線を引いたスタッフの方、気持ちは複雑ですよね。
 ところで、ウルトラマンといえばそこそこ知名度はありますが、対する怪獣となると事情が違ってきます。怪獣の個々の名前ともなると世の中から相手にされません(笑)。
 それでもこの人だけは別格!怪獣の中では、知名度抜群、「バルタン星人」です。こんなことは知ってても何の得にもなりませんが、ご存知の方も多いはず。

 こちらは「メトロン星人」。派手な色の化け物が畳の上でちゃぶ台を前に座り、,昭和の時代に溶け込んでいます。ウルトラセブン(1967年)に登場。1967年(昭和42年に)制作されたことを考えると、このシチュエーションは自然な成り行きだったのかもしれません。しかし今の感覚だと、宇宙人が畳の上で、ちゃぶ台を前に〜というのはなんとも珍妙だと思います。制作から45年という時間が流れた今だからこその、この味わい(?)ではないでしょうか。
 そして最後にこちらをどうぞ。ジオラマです。怪獣が岩石をガッチリと持ち上げています。これこそが怪獣のイメージの王道ではないでしょうか。この怪獣が岩石を持ち上げて投げつけるシーンをテレビでずっと前に見た記憶があります。

 ですから、このジオラマはそのシーンの再現なんですね。ところが、これをちょうど横で見ていた女性は、そういったことはご存じないのでしょう。 「(怪獣が)土木工事や」と笑ってました。これには唸りましたね。なるほど、怪獣が得意の怪力を活かして工事かぁ・・・ これこそ空想特撮!


 少々、怪獣の事情を知っていたために、自由でユニークな発想ができず、反省。
みなさん、大人になっても遊び心のバロメーターとして空想特撮シリーズ「ウルトラマン」の世界を美術館で楽しむのはいかがでしょう。

 

 

 
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