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第517回●2012年11月17日(土)

 「15年ぶりの入院〜後編」

(中村 覚)

 前回書いたように、敗血症による高熱でICUに運ばれました。

看護師さんが3人ベッドの周りを囲んで、点滴の管と心拍数を測るモニターと、
指先で呼吸状態をチェックする機械が付けられました。
こういったことも生まれて初めてでした。

 ところが自分自身ではやはり自分のことが分かりにくいもので、ベッドのわきにいる3人の看護師さんに
「自分は高熱があって寒気もして頭も痛いけれど、ICUに入るほどじゃないと思いますが、そんなにヤバい状態ですか?」と聞いてみました。3人とも、何も言ってくれません。事態は深刻なようです。

 その後、座薬を入れるとやっと熱が下がり始め、汗がどんどん出始めて、ようやく寒気から解放されました。
そのまま次の朝を迎えます。
 朝になると「ああ、自分はこういう所に運ばれてきたのか」と周りの状況を再確認できました。ベッドが並び、それぞれのベッドがカメラでモニターに映し出されています。私が運ばれてきたのは夜でしたが、朝になるとスタッフの数も増えて慌ただしく行きかっていました。ICUというのは静かな所だと思っていたのですが、そういうことではなかったです。

 熱は下がったものの、まだ頭はフラフラして、全身がだるい感じは抜けません。昼頃に主治医の先生が来て、傷口の処置をしてくれて、午後2時過ぎには一般病棟に移りました。
 ところが夕方あたりに、また熱が出始めます。どうも昨夜の座薬の効果がなくなったためでしょう。


 すぐ38度4分くらいに戻ってしまい、再び頭痛とだるさがひどくなり、そうしてまた点滴と座薬で熱を下げることになりました。このように座薬に頼って熱を下げるということが3日間続きました。
 その間は起きていてもヨットの上にいるようで(乗ったことはないですが)、ゆらゆらと揺られているようで、何かに集中できるという状態ではありませんでした。

 ところがその間の、入院2日目からリハビリが始まったのです。
病棟を軽く歩いてみましたが、ゆらりゆらりふらつく感じで、ちょっと歩くだけで体はだるくなり、頭痛ちょっと手前のような状態になりました。
こういったことも、生まれて初めてでした。

 


 確かにここに運ばれてくる前日あたりから寝てばっかりだったので、しばらく歩いていなかったのも事実です。加えて体調が戻っていないということも考慮しても、こんなにも歩行がしんどいというのには驚きました。

 4日目あたりからは熱も出なくなり、おしりの傷のために座ってはいけないという状況以外は、元に戻った感じでした。熱が出なくなり、寒気がしないという当たり前のことが本当に嬉しかったです。


 ところが人間は勝手なもので、座位を禁止されるとすべてのことがやりにくいのです。
ご飯を食べるにしても、本を読むにしても、横に寝そべって定まらない姿勢で行うため、
とても疲れるし集中ができません。

 

 入院1週間たったころに、退院もそろそろと思い、主治医の先生に「いつくらいに退院でしょうか?」と聞くと、
「あと1週間くらいです」と言われました。自分ではあと3日くらいで退院するつもりでしたので、1週間という時間は
とても長く感じました。(でもその後再度退院は伸び、結局20日間ほど入院したのでした。)

 ところで先生に今回の高熱による体の後遺症についてお聞きしたところ、「その心配はないです。もう少しここに運ばれて来るのが遅ければ、深刻な影響が残ることも考えられました。でも、大丈夫です。」

 こういった話を聞くと、自分がラッキーだったと再確認し、少々入院期間が長くなったことなど大したことではないと思うのでした。 「体に異常があれば早めに見て頂く」、なんとも一般的な事なのですが、皆さんも心がけて頂ければと思います。

 

 

 

 
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