HOMEへ戻る 研究所案内研修プログラム実 績セミナー情報お問合せ
|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
ウィークリーN
 

第578回●2014年1月25日(土)

 「もう いいかい?」 

 

(中村 覚)


 1月も終わりかけですが、年末の大掃除の続きをちょこちょこやっていました。押し入れの奥は数年来 手付かず状態。 中にあるのは 「使わない物」と相場は決まっているものの、やっぱり 出るわ、出るわ、お役御免の品々。 これを機に潔く捨てましょう、しかしそうは分かっていても なかなか踏ん切りのつかない品も出てきます。

 「もういらないか? でも まだいるかも・・・」 これの繰り返し。 でも 捨てない事には整理整頓、心機一転となりません。スペース的に問題のない小物については、どうしても悩むなら また片付けてもいいのですが、その心の有り様が他の物にまで飛び火して、勢いが鈍ります。

 ところで、この「もういらないか? でも まだいるかも・・・」 これって 「もういいかい? まぁだだよ」 と かくれんぼの時のやり取りに似てる気がします。使わなくなった物に 昔の思いをしまい込み、いつまでも いつまでも遊んでいようね。 ちょっと怖い気もしますが。(笑)

 とにかく 捨てようとすると、色々な理由で罪悪感が尾ひれのように付いてきます。そこで今回、そんな品々をコラムに取り上げ記録する事で、ちゃんと区切りを付けて お別れしたいと考えました。

〜ということで、それらをちょっと見てやって下さい。



 まずはこれです。小学4年の時に描いた絵の数々です。保存状態は 端は破れて まあ こんなもんです。表紙に「4の1」と書いてあるので、自分は4年生の時、1組だったのかと再確認しました。こんな事も覚えてないくらいですから、自分で描いたはずの絵も さっぱりです。
 今、見ると「もっと丁寧に描けよ」と思いますが、授業で描かされた絵なんて、そんなもんでしょうか。名前が張り付けられてなければ、自分の絵ともわからない、そんな絵に思い入れがあると感じるのは、ただの錯覚?
 次はこれです。青いグラスに折り紙の花を張り付けた鉛筆立て(?)。
グラスの底には大人の字で昭和59年と書いてあります。どうも これは7歳の時に先生に手伝ってもらって作ったのでしょう。
 もちろん既に何の記憶もなく、絵と同様にこれを見た時も 「お初にお目にかかります」といった具合でした。記憶をたどれば本当はそんな事ないはずですが、脳のキャパを超えた記憶にはアクセスできません。
 ただ、「よくもまあ、大事に取ってあったもんだな」とは 思います。全部 親のおかげであり、親のお手柄! 我が子の作品を大事に(?)しまった当時を考えると、チクリ と胸をつっつくものもあります。でも それはグラスを介しての気持ちであって、このグラス自体には 格別 何の思い入れもありません。

 最後に。 袋に入った折り鶴です。
私がまだ小学校に入る前に病気で長期入院した事があります。その時に、親が家で「早く治りますように」と折った物だそうです。実は、私が見るのは初めてでした。こんな物が30数年間、押し入れの奥にあった事にちょっとびっくり。
 テカテカしたビニールで作ってある 小さな折り鶴。 でも普通 折り鶴って、折り紙でしょ? そんなことを考えていると、 このビニールって もしかして 飴なんかの小さな お菓子の包装紙かも・・・。 作った本人も もう忘れたようですが、多分、そうだと思います。
 息子の病気治癒を願い、お菓子の包装紙で折り鶴! ん〜 ちょっと気合いが足りませんね(笑)。 それに 鶴は40個近く有るものの、作ってる途中で飽きたのか、 袋に入ったままでした。 数はどうあれ、当初は糸を通して千羽鶴のようにする気もあったはず・・・。 ん〜、道理であの時の入院は長引きました(笑)。

 数時間かけて、こうやってコラムに書き残しました。
「もういいかい?」  「もういいよ。」  これで綺麗にお別れです。 
 祟るなよ(笑)。

 

 
ご意見・ご感想お寄せください!
 
 
ページの先頭に戻る
人材育成研修・各種セミナー承ります。
Copyright(c)2002 人・みらい研究所 All rights reserverd.