初の団体戦の後の個人戦ということで羽生選手の体力が保つか心配だったのですが、ショートは歴代最高の100点越えをたたき出し、日本中を湧かせてくれました。続くフリーはさすがに疲れと金メダルへのプレッシャーがあったのか、最初は転倒しましたが立て直し、続くパトリック・チャンは羽生選手を超えられず、結果は金メダル!
しかし金メダルを取っての第一声が「悔しいです」って言葉…、初めて聞いたかもしれません。(笑)
「ベストの演技ではなかったが、全力を出し切れた。」と語っていましたね。金メダルを取った後目標を見失ってしまうのはよく聞く話ですが、もっと良い演技をという次の目標があるのは、若い彼には良いことだと思います。
ところで私がいつも感心しているのは、羽生選手のマナーが非常に良いことです。氷上に出る時、帰る時にそっと手を伸ばし氷にふれているのをご覧になった方も多いと思いますが、あれは氷に「あいさつ」しているんですってね。よろしくね、ということなのでしょう。初めて聞いた時には、「なんて気持ちのいい青年なんだろう」と感じました。
またフリーの演技後、花束贈呈セレモニーで表彰台に向かった時もそうでした。氷にふれ、表彰台に上る前も台にペコッとおじぎをしてそっとふれ、それから上がったのです。礼を尽くすとは、まさにこういうことでしょう。こんな選手は見たことがなかったので、新鮮でした。彼の敬意を感じて、心が温かくなりました。表彰台の上でも、彼はすがすがしい笑顔で四方に深々とおじぎをしていました。
実は羽生選手はCMの撮影の時にも、撮影後にスタッフに対して「早朝からこんな僕のために寒いリンクの中に足を運んで、いろいろと準備をしていただき、本当にありがとうございました。」「感謝の気持ちを忘れず、これからも皆さんに応援してもらえるよう、一人のアスリートとして責任を持って頑張っていきます。」と深々と頭を下げてあいさつしたそうです。まさに礼節を重んじた、なかなか言えない一言だと思います。
ところで、羽生選手はロシアのフィギュアの皇帝と言われたエフゲニー・プルシェンコに憧れて、小学生の頃
マッシュルームカットにしていたというのは有名な話です。
プルシェンコは今回、団体戦でショートとフリーに出場しロシアの優勝に貢献しましたが、腰を痛めて個人競技直前に棄権し、衝撃の引退をしました。しかし、プルシェンコの羽生選手へのコメントがまた良かった!
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