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ウィークリーN
 

第583回●2014年3月2日(日)

 「新聞原稿のエピソード」 

 先月2月17日の高知新聞に、原稿を掲載して頂きました。
タイトルは「厳しさと優しさのバランス」。人材育成の立場から、厳しさの教育と優しさの教育のバランスの必要性について書いたものです。

 小学生の頃から慣れ親しんできた新聞。そんな新聞に自分の原稿を載せて頂いた機会が何度かありました。
26歳の時に高知新聞に投稿したのが初めてでしたが、新聞に投稿することは社会に向けての発信でもあり、掲載された時には「新聞に認められた」ことが素直に嬉しかったものです。

 初めはもちろん、読者の投稿欄からでした。400字程度というキビシイ字数制限がある中で、伝えたいテーマをうまくまとめることはかなり難しいものです。少しでも文字数を減らすため、同じ意味で文字数の少ない言葉への書き換えなどに知恵を絞ったものでした。 しかし後でふり返ると、こうした原稿が知らぬ間に自分史の記録にもなっています。今回初めて調べてみて、13回と思った以上の回数だったことにビックリしました。

離島のハンディ             (1986年、高知新聞 「生命は守られているか 私の体験」)
優しく見守っていてね         (1988年、朝日新聞 「手紙」欄)
せめて「普通」のサービスを      (1989年、高知新聞 「声」欄)
保育園で幸せに            (1991年、高知新聞 「読者の広場」欄)
障害児の土曜休日            (1994年、朝日新聞「ひととき」欄)
待望の看護職員 知事さんに感謝 (1999年、高知新聞「声」ひろば欄)
吉岡先生こそ本当の教育者     (2000年、朝日新聞 「声」欄)
42歳の大学院受験            (2002年、朝日新聞 「ひととき」欄)
男女がケンカをしない法        (2005年、高知新聞 「月曜随想」欄)
コミュニケーション力           (2006年、高知新聞 「月曜随想」欄)
宮古市の子供たちに         (2011年、高知新聞 「声」ひろば欄)
届けました               (2011年、高知新聞 「声」ひろば欄)
厳しさと優しさのバランス        (2014年、高知新聞 「所感雑感」欄)

 「離島のハンディ」「優しく見守っていてね」「保育園で幸せに」など、初期に多いのは障害児を育てていた中で生まれてきた思いを綴ったものです。長女が生まれた27年前には、まだ障害のある子どもがいることは表だって言えない時代で、それに対する「おかしい」という反骨の思いがペンを取らせたのでした。障害児育児の真っ最中の当時は社会から取り残されたような思いもあり、新聞は私にとって社会とつながる唯一の窓のようなものでした。

 「障害児の土曜休日」は1994年 学校が土曜休日になり、障害児のほとんどが社会での受け皿がなく自宅で過ごすことになったことに対する長女の悲しみを代弁した投稿でした。
 「待望の看護職員 知事さんに感謝」は、養護学校に看護職員を配置して欲しいという運動が進まない局面に対し、面談してくださった当時の橋本大二郎知事が「それはやるべきだ」と鶴の一声で、道を開いて下さったことへのお礼でした。

 また新聞記事ではありませんが1996年、高知新聞社が募集した「心にひびくいい話」に、長女が『生まれてきて良かった』と 言ってくれたエピソードを書いた「抱いた子に教えられて」を掲載して頂き、全国からの抜粋編「心にしみるいい話」にも載せて頂きました。驚いたことにこの原稿はその後、日本標準社から道徳の教科書にも掲載して頂きました。
(教科書のお話は、第180回に書いています。)

 吉岡たすく先生が亡くなった2000年には、「吉岡先生こそ本当の教育者」という投稿で先生を偲びました。
高知工科大学大学院に入学した時には「42歳の大学院受験」について投稿し、入学式で「おばちゃんトリオは意欲満々」として、朝日新聞に40代の同級生トリオを取材して頂いたことも、良き思い出です。(笑)

 東日本大震災の後には、自分も何か支援をという思いで高知新聞に「宮古市の子供たちに」と、ミニタイガープロジェクトのピンポイント支援を呼びかけさせて頂き、2ヶ月後、寄せられたご寄付の成果とお礼を「届けました」として掲載して頂きました。新聞が公器と言われるのも、こうした影響力が大きい由縁でしょう。

 9年前に初めて、高知新聞の記者のMさんから「原稿をお願いできませんか?」と頼んで頂けた時は嬉しかったです。「月曜随想」というコーナーだったのですが、何が嬉しいって、文字数が一般の投稿欄に比べて飛躍的に増えるので、文章表現がかなり自由にできることでした。

 ちなみに、今回の原稿は1400字という条件だったのですが段落替えなどもありますので、実際は1200字弱といったところでしょうか。しかし、400字詰めの原稿用紙なら1枚が3枚の分量になるわけですから、書く時の自由度は比較になりません。

 以前は「男女がケンカをしない法」「コミュニケーション力」と書かせて頂き、今回は「所感 雑感」という、やはり月曜のコラムです。 高知新聞は月曜日にコラムが多いので、一読者としては楽しみが多いです。

 思えば私は、新聞原稿を書くことによって励まされ、前へと進む力をもらってきたような気がします。
でも 実はここ10年、宮古市への支援の原稿を除いて、投稿はしなくなっています。なぜって?
答えは簡単。この「ウイークリーN」で週1回、コラムを書かなきゃいけないからです。
ですので今は常にネタ切れ。(笑) でも、コラムを書くのは嫌いじゃないようです。

 

 
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