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(中村 覚) |
土佐弁で「ちゃがまる」とは、壊れるという意味です。形ある物はいつかちゃがまるので、物にあまり執着するのは良くないこと。
でも みすみす ちゃがまるのを放っておくのはもっと良くないこと。 良くないというか もったいないというか、自分が損するだけ?
身近な家電に始まり特に機械類は日ごろからのケアが大事で、適度に使ってやらないと、ある日、突然
ちゃがまってしまう可能性もあります。
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前置きはこのくらいにして〜、実はこのスクーター、私のなんですが、久しく乗ってません。
3年前に車を買ってから、徐々に乗る機会が減ってきて、ここ1年半ぐらい さっぱりです。 冬、寒いですし、車の方が圧倒的に便利で安全。
そんなこんなで乗らないものですから、ホコリ、すごいんです(笑)。 |
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乗らなくなり始めた頃は、エンジンぐらいはたまにかけてやらないとバイクに良くないと思い、3か月に1回ぐらい、ブルルン、ブルルンとやってました。ところが、だんだんそれすら面倒臭くなってきて、1年半です。
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そして先日、さすがにそろそろ、ここらでエンジン回しとかないとマズイなと心配になり、スタンドを立てた状態で、キーを差し込んでボタンを押してエンジン、スタートッ!
〜のはずが、案の定(?)ギュルルル〜と音が空回りするだけで一向に かかりません。 |
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手元のボタンでダメな時は足元のキックを使ってエンジンをかけるのですが、私にはこれがなかなかやりにくいんです。それでも
何とか かんとかやっている内に かかりました。
「やった!」という達成感がありましたが、かかったエンジンに満足しているだけでは、急にしょぼくれて止まってしまうこともあるので、間髪入れず
鞭打つように更にアクセルをふかして、「起きろぉ、寝るなあぁぁっ!」とやるわけです。何回かふかした後は、20分ぐらいエンジンをそのままにして、なまったバイクのボディを温めてやります。 |
世話の焼けるバイクですが、このように必要最低限のケアをしてないと、いざという時、動かない、などという謀反を起こしかねません。
どうも この手の物は(パソコンも同様) 自分自身の価値(価格)を知っているらしく、ご主人様からそうそう邪険に扱われることはないと、高をくくっている態度が見え隠れし、正直
あまりかわいくはありません(笑)。
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エンジンかけっぱなしのバイクにまたがり、そんな事を考えている時
ふと、「あれ? お前、お腹 空いちゅうが?」 ガソリンのメーターを見ると 針がメモリの左に振り切れていて
「もう ほとんど ガソリンないけど」 と言うのです。 「おっかしいなあ 全然 乗ってもないのに、なんでなくなるがよ。一年半前は半分くらいあったやんか」
文句の一つも言いながら、仕方ないので 家から1分ぐらいの所にあるガソリンスタンドに連れて行ってやり、「お腹、いっぱい、どうぞ」 やさしいご主人様。
(写真は満タンの状態です) |
店員さんが「ハイ、満タン、3.6L入りましたあ〜。」
「3.6L? お前(バイク)、どっか、悪いがやない?小食過ぎ。 車なんか 30Lぐらい ちょちょいのちょい で。」
でも、そうなんです、すっかり忘れていましたが、車と違いスクーターのこの控えめな飲みっぷりは
かわいいトコです。
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ついでなので、久しぶりにタイヤの空気圧も見てもらったところ
店員さんに、
「あれ? お客さん、(タイヤ)ペチャンコですよ」と言われ、 いや実は今日、1年半ぶりに乗ってるんだと説明すると、ちょっとビックリした様子でこう話してくれました。 |
まずガソリンは気化するということ。だから乗らなくても中のガソリンは減るのだそうです。
それから、ガソリンは腐るそうです。中のガソリンが腐り切ってしまうと、もうバイク自体がアウトだということ。
「まぁ お客さんのバイクは大丈夫でしょう、こうやって 現に家からここまで乗って来ることができたわけだし。
それに多少腐っていても今日、新しいガソリンと混ざり合いましたから。」
ガソリン、腐るって・・・アルコールは腐らないんじゃないのか?そんなことが頭をよぎりました。
燃えるのでアルコールだと思っていたのです。その証拠にウォッカに火を付けたら燃えるし・・・、
証拠になってないし。ガソリンはアルコールじゃありません。(笑)
もう半年、そのまま放置していたら本当にちゃがまっていたかもしれないスクーター。
タイミング良く給油できたと、 ホッと一安心です。
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