少し前に広島県尾道市を訪れる機会があったのですが、その時に見かけた近代建築を
ご紹介しましょう。
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広島県尾道市は、岡山市と広島市のほぼ中心にあり、映画の町としても有名です。尾道で撮影された映画は小津安二郎の「東京物語」、大林宣彦の「時をかける少女」など、特に映画ファンではない私でさえ知っている有名なものが多くあります。 |
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尾道駅の近くには、西日本一長いアーケード街があります。
6つの商店街 約400店舗が並んでおり、全部見て歩くだけでも結構な時間がかかります。
ここは戦火を免れた町なので、 昔のまま商店街が残っているようです。 |
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このアーケード街の途中に、市の重要文化財である「尾道商業会議所記念館」があります。アーケードが正面玄関の上をさえぎっているのが残念ですが、なかなかの風格の建物です。 |
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尾道商業会議所記念館は、1923年(大正12年)に建築されたものを改修復元したものです。商業会議所として建築された鉄筋コンクリート製の建物としては現存する最古のものです。高さ17mあるということで、当時としては
商都尾道を表すシンボルのような存在であったのでしょう。
(ここからの写真は、クリックで大きくなります。) |
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1階は資料展示や観光案内コーナーですが、2階が特徴的です。
その中がどうなっているのか、入ってみると… |
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美しく、格調高い議場が広がっています。
階段状の議場は、大正期としては珍しい形式だったそうです。
議席は50番まであり、 番号札が林立しています。
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議長席は二段ほど高く、当時の議長の権威が偲ばれます。
この議場は今でも有料で使用することができるとかで、近くだったら是非使ってみたいなあ、と思ったのでした。 |
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議場の後ろには中3階があり、上って傍聴できるようになっています。 |
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中3階に上る階段はコンクリート製ですが、
古めかしいデザインがいい味を出しています。 |
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中3階より議場を臨んだところ。深紅のじゅうたんが印象的です。
この重々しい大正の空気感が落ち着きを感じさせ、私はとても好きです。
こうした建築のように、人も年月を重ねることでいい味を出していけるようになれば…、そうなりたいなあ、と思ったのでした。
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尾道商業会議所記念館
広島県尾道市土堂1丁目8−8
電話:0848-20-0400
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