世界最高と言われるサービスで有名なリッツカールトン・ホテルでは、設立時に社長をはじめ中心メンバーが集まり、「どういうホテルならお客さまが常に行きたいと思って下さるか?」を話し合い、それをまとめたのが有名なクレド(信条)です。
クレドカードにはサービスの基本精神が書かれています。「リッツカールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することを、もっとも大切な使命とこころえています」とあります。
全世界のリッツ・カールトンでは毎日「ラインナップ」と呼ばれるトレーニングを兼ねたミーティングが行われているそうです。始業前に15分ほど、20番まである「リッツ・カールトン・ベーシック」(行動指針)を毎日1つずつ取り上げてその意味を話し合い、現場ではどうなのか、自分の中に落とし込むものです。上司からの一方的な訓辞と違い、上司も部下も一緒にディスカッションする、コミュニケーションの場でもあります。その時、クレドが生きてきます。
1人1人が現場で毎日その意味を考え、話し合い、自分自身に落とし込み、それが継続されてこそ、理念は具体的なサービスへとつながっていきます。それが現場で実践されるとお客様に喜ばれ、自分の喜びとなる。これがうまくシステム化され、浸透していることがリッツ・カールトンのすごさです。
どんな企業の経営者の方も、お客様が一番大事だとおっしゃるでしょう。しかし、実際お客様を一番大事におもてなしをしている会社が、どのぐらいあるでしょうか?多くの場合には
お客様が一番大事と言いながら、現場ではスタッフの都合が優先ではないでしょうか。ここにお客さまは疑問を感じ、不満を持つわけです。
この基本理念と現場サービスとのギャップを考え、埋めていくのが基本理念の確認研修です。
トップダウンで理念を伝えるのではなく、参加する社員全員で基本理念を具現化していくのですが、
「理念」という固いイメージとは裏腹に、意外に楽しそうなんです。
多分、全員であるべき方向性をめざすということが連帯と高揚を呼び、結果
心地良いのでしょう。
「あっという間の3時間だった」という感想もよく頂きます。
混迷の時代、リーダーが基本理念をかみ砕いて部下に伝えられる力が大切なのですが、そもそもリーダーが方向性に迷っているのも、よくあることです。研修のご相談がいつの間にかカウンセリングのようになり、終わるとリーダーも方向性が見えてスッキリしたお顔になることも珍しくありません。
組織にとって重要な理念をお客さまに真に活かせるように、これからもお手伝いできれば光栄です。
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