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第629回●2015年1月24日(土)

 「どんど焼き。

 

(中村 覚)
このたたずまい、なんだか おわかりでしょうか。
これは青竹や木材で組み上げた、「どんど焼き」 のやぐらです。
ここは高知市内から車で90分程離れた、田野町の二十三士公園。


 「1/18 (日) 9:00〜12:00どんど焼き開催」という記事をほっと高知で見たのがきっかけで、行ってみました。会場に着いたのは 9時ちょっと過ぎ。すでに地元の方が世話役、またはお客さんとして集まり賑わっていました。
会場ではお餅や五目ご飯、おぜんざいを「お接待」ともいうべき値段で提供してくれており、おぜんざいは100円、お餅はこんなに入って300円なんです。
時間の経過と共に除々に人の数は増えていきます。
私のような見物人は別ですが、周辺地域から集まって来る方は、
皆さんそれぞれ お正月に使った、門松やしめ縄、古くなったお守りや数珠などをやぐらの前に持ち寄ります。
そして それらを世話役の方が分別します。
特にしめ縄などに使われている針金や金具は燃やした後の処分が大変なので、
このようにあらかじめキッチリと。


そして集まった物をやぐらの中に入れていきます。
神職の方がやぐらの前に設置した祭壇の前で神事を行います。
これを祭壇のすぐ横から大きなビデオカメラで撮影するNHKの方の姿も。

神事の途中で、やぐらの周辺に一定の間隔で塩を撒いていきます。

やぐらへの点火時間が近づくにつれ、いつの間にか  人の数もさらに増えます。

10時をちょっと過ぎた頃、地域住民を代表するかのように神職の方が点火。火は上の方に静かに現れたかと思うと、すぐに燃え始め、5メートルはあった青竹の姿は見る見る内に消え、炎はやぐらの中心部分でボンボン燃え盛り、青竹が割れる音がバチンッ バチンッ 周辺に響きます。

勢いよく燃える炎ももちろん荘厳ですが、この青竹の音も神聖さを帯びています。
神社でお参りする時に、邪気を払う意味でかしわ手を打ちますが、あの音の響きと どこか似てるように感じました。

 

30分程でやぐらは形を失い、その後は熾火(おきび)となります。
 火の勢いって、スゴイなぁ などと思いながら、ふと周りを見ると、「え? レッカー車?」
なんと先程のNHKの方が、あんな高い所から!
やぐらが燃え尽きるまでの様子や、それを取り巻く人だかりを俯瞰的に捉えて撮影中・・・ さすがプロ! 本心を言えば、「ズルい。 私だって そういう写真が欲しいのに。」
最後は、竹に刺したお餅を熾火で焼いて (柔らかいお餅なら熾火に当てて)、無病息災を願いながら頂きます。 皆さんがなぜ長〜い竹の先にお餅を刺しているのか?
写真を見る限りでは儀式的なことと思われるかもしれませんが、熾火が熱くて近寄れないからなんです。
地元の方のお話では、昔はやぐらを2個作っていたそうです。
 しかし「どんど焼き」で燃やすはずの門松やしめ縄が時代と共に減少してきているとのこと。
確かに最近では、門松は玄関に貼る紙になり、しめ縄も昔みたいに飾らなくなりました。
その昔は、自動車はもちろん自転車やリヤカー、水神様のいる井戸やトイレなどにも飾っていたそうです。
このように物の移り変わりもさることながら、地域の若者の減少はもっと重大です。

こういったお話を伺うと、会場の2ヶ所に設置されていた募金箱の意味合いも
また違って見えてきました。
 
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