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(中村 覚) |
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家で鳥肉を食べる時には命の尊さに敬意を払う意味で、この指輪をはめてから頂くようにしています。などと
もちろん冗談です。(笑) これ ちょっと前に友人からもらった物です。
ところで、この鳥 なんだかおわかりでしょうか。「ハシビロコウ」なんです。
目つきの鋭さと動かないことで有名な怪鳥です。 |
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私が初めてハシビロコウを見たのは3〜4年前、たまたま動物園に行った時です。
それまでメディアでも全く見たことがなかったので、最初のインパクトたるや、
「・・・ なんじゃ? これはっ!」 驚きというか不思議というか、「今までに 見たこともない物を見たぞ」と強烈でした。そして好感度も抜群。 |
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今回 ハシビロコウの指輪をもらったのも何かのご縁、ということで久しぶりに見に行ってきました。行き先は高知県立のいち動物公園。
ちょうど寒風吹きすさぶ日で、 何が嬉しくてこんなに寒いのか? 近くにある風車がグウォンッ、グウォン
と風切り音と共に激しく回ってました。 寒過ぎ。 |
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園の入口からハシビロコウの展示場所までけっこう離れています。途中、色々な動物がいますが、寒いので
また今度。今回はハシビロコウを見ることができればそれで十分です。寒さに体温をうばわれながら、やっとの到着。 |
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ご覧ください、この面構え。定番のアングルですが、この写真はやっぱり外せません!
相手を射抜くようなこの目力。「お主、何用か?」 タンザニア出身なので、こんなわけないのですが、愛想のかけらもない、この表情、ちょっとサムライっぽくないでしょうか。単独行動を好み、性格は攻撃的とのことですが・・・見たまんまです。 |
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この写真を撮ったのは2月の中頃で、鳥インフルエンザの予防対策のため、この時は室内のみの展示でした。
しかし 電話で問い合わせると、今は解除され、「本人はその時の気分で外に出たり、中に入ったり、自由気ままにやってます。」と係の方が教えてくれました。
実はこの鳥、ほとんど声を発しないそうです。 「ちなみに昨日は雨の中、ずっと外にいましたよ。」とのことで、
ん〜 孤高なサムライは、雨の中 一人、孤独が似合うんでしょうね。(私の勝手なイメージです。) |
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ところで、もう覚えたので普通に「ハシビロコウ」と言ってますが、当初は「あの、変な鳥、あれ
あれ」などと言ってました。クチバシが幅広いコウノトリだから「ハシビロコウ」なのだそうですが、これを知った時、だから変な名前なのかと思ったものです。 |
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英語名では「Whale-headed
Stork」で意味は「クジラ頭」。 別称の「Shoebill」は「靴のようなクチバシ」の意味。学名のラテン語では「Balaeniceps
rex (バラエニケプス レクス)」と言って「クジラ頭の王様」の意味だそうです。どれもまともには
考えられていない気がするのは私だけでしょうか。(笑) |
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狩りをする時は数時間、この鋭い視線で水面を睨んだまま
じっと動かずに、獲物が現れるのを待ちます。魚が現れた瞬間、素早くくちばしを水中に刺し込み〜、などとそんなスタイリッシュなことはしません。
この大きなくちばしはもちろん、全身で水中にダイブします! 必要があっての動作だと思いますが、人間でいうところの腹打ち状態に見えて愛嬌満点です。 |
そして捉えた獲物を丸呑みして
消化に1日の消費エネルギーの30%を使います。 魚が現れるのをじ〜っと数時間待つだけでも疲れるだろうに、消化にまで・・・
この一連の非効率さも憎めません。 |
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今回、コラムを書くにあたり アマゾンで1冊本を買いました。色々と調べてちょっとでも濃い文章になればいいなと。でも
届いて内容を確認したら、ほとんどのページが 写真、写真、写真。 これ 写真集だったんです。(笑)
これじゃ 1冊 本を読んだではなく、本を見た、です。まあ これはこれで良いんですけど。 |
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現在、日本でハシビロコウを見ることができるのは、千葉市動物公園(千葉県)、恩賜上野動物園(東京都)、伊豆シャボテン公園(静岡県)、那須どうぶつ王国(栃木県)と神戸どうぶつ王国(兵庫県)そして高知県立のいち動物公園(高知県)の6カ所です。
高知は何につけ「何もない」とよく言われがちですが、貴重なハシビロコウがいます。2010年にタンザニアから来ましたが、ここ高知で長生きしてもらいたいです。 |
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