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第647回●2015年5月30日(土)

 「TDRC ディズニーの人財戦略」

 東京ディズニーリゾートの特集、4回目はディズニーランドの人財についてです。 ディズニーランドと言えば、そのホスピタリティー(おもてなしの心)は有名です。ずっと、その接遇の現場を見てみたいと思っていました。

 (今回の写真は肖像権を考慮し、大きくなりません。申し訳ございません。)

 ディズニーランドに入ってすぐ、ワールドバザールにいたピアノ弾きのおじさん。
ご覧下さい、このこぼれんばかりの笑顔!!「さすがはディズニーのキャストだ」と感じました。彼の陽気な演奏に惹かれて、たくさんの人だかりができていました。

 

  ディズニーリゾートのスタッフは、裏方を入れるとなんと2万人!その内、正社員はたったの300人で、ほとんどがパート・アルバイトというのは有名な話です。それなのに、現場がうまく回っているのはなぜ?これも、ディズニーの魔法でしょうか。(笑)

 

 どのキャストもカメラを向けるとすぐに笑顔になります。中には茶目っ気たっぷりにポーズをつけてくれる人も。
カストーディアル(清掃スタッフ)は撮られるのに慣れてない人が多く、「私でいいんですか?」みたいに聞く人もいましたが、それがまた初々しくていいんですよ。(笑)
 このカストーディアルはディズニーランドに600人いるそうで、その掃除の仕方にもしっかりとマニュアルがあります。受け持ち区域を15分で一周し、常に清潔さをキープしているのです。ダストパンという長いチリトリは肌身離さず持ち歩き、立ったままゴミを掃き入れます。実はこの動き、ゲストの安全を考慮してなのです。

 パーク内ではゲストは足元をあまり見ませんから、カストーディアルがしゃがんで掃除していると見えづらく、ぶつかって転び、ケガしてしまうかもしれません。

 レストランで、たまたまキャストが食器をひっくり返して掃除していたのですが、マニュアル通り立ったまま、濡れた床を足で拭いて掃除していました。

 実はゲストは見ることができませんが、ナイトカストーディアルという閉園してからの掃除キャストが、昼間のパークの清潔さの7割を支えているそうです。毎夜パーク全体を、長い水圧ホースを体に巻き付けパーク内を隅々まで水洗いし、「赤ちゃんがハイハイしても構わないくらい」「地面に落ちている食べ物を子どもが口に入れても衛生上問題がないくらい」の清潔さを徹底しているとか。

 4月の夕方でさえ海風の寒さが身に沁みたのに、真冬の寒風吹きすさぶ季節には、どれだけきつい仕事でしょうか。でも、そんなキャスト達がいるからこそ、チリ一つ落ちていない あの美しいパークが維持されているわけですね。ありがとうございます。


  さて、様々なキャラクターの衣装は、間近で鑑賞しても美しい素材を使って作り上げていました。金髪のカツラだって地毛に見えるほど、自然な仕上がりでした。ゲストの夢を壊さないよう、完璧に製作しているんですね。

  ちなみに広大なパークにも関わらず、看板はまずありません。当然、場所がわからず何度も道に迷い、その都度近くにいるキャストに聞く羽目に…。

でも実は、これが戦略なんです。看板(モノ)でなく、キャスト(人)が対応することにこだわっているのです。そこから、人との関わりが生まれてくるわけですから。


これって高級ホテル、ザ・リッツカールトン大阪で聞いた戦略と同じです。
(コラムの第73回参照)
だから現場で行き交うスタッフを、多めに配置しているんですね。

  接客では、接遇講師の友人と私は、「ディズニーランドよりもディズニーシーが上」と感じました。テンションを上げて応対しているランドに比べ、シーはより自然なおもてなしになっていたのです。

 ちなみに、シーの方がキャストの年齢はランドよりも高めでした。このキャストさんは、オーバー60だと思うのですが実にミッキーのシャツがお似合いでした。


 パーク内では、コーチ役のキャストが新人にマンツーマンで教えている現場に何度か遭遇しました。先輩がウォルトの思いをしっかりとフィロソフィーで伝え、70%仕上げて現場に送り出し、残り30%を現場で仕上げる。これで現場力が培われるのです。
彼は手話ができるキャストで、手話のピンバッジを付けています。やはり自然な表現力が身についていますね。
他にもトレーナーピン(写真)や継続年数に応じたもの、外国語対応可能など色んなピンバッジがあり、キャストのモチベーションを高める工夫が巧みです。ネームプレートも一人一人、手をかけて彫り込んでいるもので、こうした積み重ねが「私は大切にされている」と感じるのではないでしょうか。ES(社員満足)を上げることがCS(顧客満足)を上げる、という戦略はみんなを幸せにします。
 どこでも感心したのは、基本の接遇を手抜きせずに、きちんと行っていること。
でも決して、難しいことじゃないんですよ。

@手を止める
Aアイコンタクトをとる
B笑顔
C体をきちんとこちらに向ける
Dあいさつ

そして、否定文は使わない。「ありません」「できません」「知りません」はタブーなんですね。ただこれをレジ打ちやお掃除担当まで、全員ができるのがすごい。
しかも本物の笑顔で!

  実はディズニーのパークでは、1年でバイトの半分が入れ替わる厳しい世界だそうです。
しかし、人材育成においては見習うべき点が多々あることを確認でき、とても勉強になりました。

 

 
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