確かに先の選挙で、自民党は大勝しました。それがこんなにも危険をはらんでいたとは、予測できませんでした。安保法案はその時の選挙の争点だったわけでもなく、国民は自民党に対し内容は全部お任せの白紙委任をしたわけではありません。
安保法案については、野党はもちろん、学者、国民も強く反対しています。デモも多くなりました。しかし充分な論議も尽くされず国民の意思を問うこともなく、数の論理で強行採決。この安倍首相の独裁にも似た強引なやり方は、非常に危険なものだと言わざるを得ません。
さらに疑問を感じるのは、NHKの報道姿勢です。安倍首相の友人である籾井氏が会長になってから、政府寄りの報道姿勢があからさまになりました。会長の就任会見でも、「政府が右というものを左というわけにはいかない」と述べて論議をかもしました。報道機関は中立を目指すべきではないでしょうか?特にNHKは。
夜7時になると、それまで民放を見ていてもNHKに変え、7時のニュースを見る。
これはもう50年来の私の生活習慣でした。でもわずか30分の番組なのに、最近は途中で見るのが嫌になってチャンネルを変えてしまうことが多くなりました。
もちろん原因は、政府に関するニュースの報道姿勢です。明らかに政府寄りの見解を述べるだけのことも多く、これじゃあまるで政府のお抱え機関じゃないか、日本は報道の自由な国ではなかったの?と嫌な気分になります。「広報と報道は違う。最近のNHKの番組は、広報番組だ」という声も上がっているのは、当然のことでしょう。
心あるNHKのOB1500人もが、「恥ずかしい思いだ」「公共放送の信頼をなくしてしまう」と籾井会長に辞任を勧告したのは、当たり前のことだと思います。でも、現役世代の方々が上に刃向かうことは…現実的に難しいでしょう。
安倍首相は気に入らない報道をされると激怒し、テレビ局の幹部に抗議の電話をしたり、報道圧力をかけているようです。昨年の衆院選の前にも「報道の公正中立を」という要望書を出していますが、出演者の発言回数や番組の内容などについても細かく口を挟み、コントロールしようとしています。安倍批判をする言論人がテレビの現場からどんどん消えていますが、こうした言論の封殺は民主主義の崩壊です。
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