最近、早いところでは中学校からインターンシップ(職業体験実習)が行われるようになりました。これは、実際に企業や官公庁などの職場に実習生として受け入れてもらい、その職業の実態を学ぶものです。学校の教科書の上だけの勉強と違い、実社会はこうなんだという勉強は説得力があり、大学生などはそれが職業選択に結びつくケースもあるようです。
私が中学校の時、公民(社会科)担当のU先生が、授業のしょっぱなでこう聞きました。
「君たちは、社会科が好きか?」ほとんどが「嫌い」に手を挙げました。続いて
「暗記科目だから、という以外の人?」と聞かれ、私を含め2人が手を挙げました。
どうしてか、と訊かれ生意気だった私は「社会科は机上の勉強ばかりだ、もっと実社会のことについて学ぶべきだと思う」と答えました。意外にもU先生は「私もそう思う」と賛同してくれたのです。(生意気を言った手前、それから公民の時間はすごく予習・復習をして、成績が上がるおまけがつきました。)
その先生は素晴らしかった。こんなことを宣言したこともありました。
「今日の授業、眠たい人は寝ても良い。ただし、絶対寝かさない!」。そして外国での体験など、本当に面白い話をしてくれたのです。ああいう時期に、もしインターンシップに行けたら、本当に勉強になったことでしょう。
今の子供たちは職業選択といっても、あまりにも職業に関する情報が乏しすぎます。サラリーマンの子供が多いため、職業の実態がわからないのです。わずかな情報は、映像的なイメージだけで、ほとんどがマスコミから得た偏った情報と言えるのではないでしょうか。「何をしたいのかわからないから」と、とりあえずフリーターになる学生も多いようです。 |