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ウィークリーN
第76回●2004年4月22日(木)

「たかが言葉 されど言葉A」

 
パンジーとウサギ
 2月からずっと立て続けだったハードな研修のスケジュールも、今週末にはようやく一段落しそうです。
そんな中、昨日はキャンセルし続けだった歯医者さんに行ってきました。 虫歯治療ではなく、歯のお掃除をして頂く、予防です。 
 

 そこで、またもや気になる言葉を聞いてしまいました。
椅子に横たわる私に、歯科衛生士の女性が 「はい、お口を開けてください」と言ったのです。
(な、なに〜〜!?「お口」!?私は小学生かぁ!?)と思ったものの、口を開けているのでしゃべることができません。医療の現場では、こういうもどかしさを感じる時があります。

 なぜ、これがいけないかというと、観点は2つあります。
一つは「お口」という言葉で、相手を幼児扱いしているように聞こえること。患者は自尊心が傷つきます。私は高齢者施設の研修などでは、ここをやかましく言います。若い職員がよく「あら〜○○さん、ごはん一杯食べれて(ら抜き表現)、良かったねえ〜」などと言いますよね。言ってる方は親近感を持っているつもり。しかし聞いている方は(俺は子供じゃないぞ!)とムスッとしている。職員は(やあね、せっかく声をかけてあげてるのに、難しい人だわ)と思う。こういう行き違いがよくあるのです。

 二つ目は、言葉のバランスの悪さです。「開けてください」というのは相手に指示・命令する言葉です。対して「お口」というのは美化語と言われ、敬語の一つとされています。つまり、前半は丁寧なのに後半は命令口調。「山田様、こちらに来い」というようなものでしょうか。「口を開けてください」か「お口を開けて頂けますか?」ならバランスがいいのですが、丁寧に言うなら後者でしょう。その後も「お口をもう少し開けてください」「お口をゆすいでください」などの言葉が、気になって仕方ありませんでした。

 たかが言葉、されど言葉です。こういうことばかり言うと意地悪おばさんみたいかなあ。 
でも、やっぱり「美しい言葉を聞きたい」と思うのです。

 
 
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