HOMEへ戻る 研究所案内研修プログラム実 績セミナー情報お問合せ
|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
 
ウィークリーN
第91回●2004年8月8日(日)

「機械に言われると腹が立つのはなぜ?」

 


最近買い換えた車は、シートベルトをしていないとチャイムが鳴る。もちろんシートベルトはするけれど、道路に出る時左右伸びをして確認したりするので、道路に出てからベルトを付けることが多い。しかしうっかり忘れていると、うるさくチャイムが鳴り続ける。「はいはい」と返事して、従う。


 銀行のATMで、画面を押している時に手荷物が横から落ちた。荷物が画面にふれると「画面の上に物を置かないでください」と注意された。命令形の言葉だ。なんか、ちょっとムッとする。

 考えてみると、なぜムッとするかというと、人間が作った機械に従わされている気がするから、じゃないのだろうか。人間は当然、機械よりも上の存在で、人間は機械に命令しても良いが、機械が人間に命令するのは許せない、というプライド。これに気づいてちょっとショックを受けた。

 この3月で放映が終わった、新作鉄腕アトムの最終回を思い出したからだ。人間は心あるロボット を作ったが、心あるロボットを尊重しようという人間と、それは脅威だから処分しろという人間の間で、争いが持ち上がる。どんどん壊されていくロボットたち。身を守るためロボットは独立を要求し、「人間とロボットは友達だ」と主張するアトムは、人間とロボットの間で板挟みになる。非常に今日的な問題を含み、考えさせられる素晴らしいドラマだった。

 じゃあ私は、「ロボットは人間より下だ」と敵視する人間のグループなのか?いや、そんなことはない、そうであってはいけないと信じている。

 最終回で、お茶の水博士は「人間とロボットのパートナー宣言」を出す。
お互いを認め合い、許し合うことの大切さを説いたのだ。

「心を持つロボット達を、私たちはどれだけ傷つけてきたでしょうか。彼らの痛みや苦しみを、私たちはどれだけわかってあげられたでしょうか。…しかし、私たちは同時に多くのことを学びました。お互いを許し合い、認め合うことの大切さを。私は全人類を代表し、ここに宣言します。
ロボットはもはや人間の道具ではありません、心の絆を結んだ素晴らしきパートナーなのです。この星の未来を共に築き上げていく、かけがえのない仲間なのです」

 あまりに素晴らしい演説だったので、未だに私はこの回の録画を消去できないでいる。例えばこの「ロボット」は「動物」と、置き換えることもできるのではないか。人間は、ともすると自らを神に置き換えたように傲慢になりがちだ。いかんいかん、反省しよう。
 
 それにしても、アトムで育ってきた日本人にはこの「ロボットは友達」というメンタリティーはわかるけれど、残念ながら外国人にはきっと悪い冗談にしか思えないことだろうなぁ…。いやしかし待てよ、アイボは海外にも相当売れたはずだ。ああいう癒し系のロボットなら、そういう気持ちがわかってもらえるのではないだろうか?

 人間同士だって、共に地球に生きる仲間という意識が高ければ、色々な問題は相当片づくのではないだろうか。小学生のような発想だけれど、時にはこうした気持ちになってみるのも悪くはないと思う。


   
 
ご意見・ご感想お寄せください!
 
 
ページの先頭に戻る
人材育成研修・各種セミナー承ります。
Copyright(c)2002 人・みらい研究所 All rights reserverd.