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WEEKLY “N”|T医師のひとりごと|すずかの気ままにDO!
 
第5回●2003年6月 「父親としてできること 」
   
 

障害児のいる家庭はさまざまです。私の知り合ったお父さんたちは、子どもが身体障害を持っているという特徴のためかもしれませんが、比較的子育てにかかわっているように思います。車椅子へ乗せたり、入浴の介助をしたりというのは子どもが大きくなると母親の力だけではなかなか対応しきれません。

また、子どもの世話はほとんど母親がやっていることと思いますが、時には父親も参加し母親を休ませることも必要かもしれません。家族によっては子どもを親類などにあずけて2人の時間を作っている方もいます。短期入所(ショートステイ)などを使って施設を利用するのも一つの方法だと思います。「冠婚葬祭などのちゃんとした理由がないと預けられないのでは?」と不安に思う方もいるでしょうが、そんなことはありません。介助者がたまに体を休めるために利用することも、立派な理由になります。

私自身は今も、食事介助やトイレの介助、車椅子介助、入浴介助などを行っています。ただ、子どもが女の子なので、なにかと介助しにくい場面が増えて来たことも事実です。周囲には、料理の得意なお父さんもたくさんいます。しかし私はさっぱりだめなので、家内がいないときの食事は、子どもたちに不評です。

子犬と電灯
父親は、子どもが生まれても親になるには時間がかかると思います。子どもと一緒に暮らしていて、だんだん親らしい感情がわいてくるように思います。そのため、障害がわかった時の反応も母親とは多少違ってくることもあります。その後の子育てについても父親は、「参加しようと思っていても、実際どうしたらいいのかわからない。」「仕事が忙しい。」などの理由で、母親からは「何もしてくれない」というように思われる面があるのではないかと思います。こうした父親の集まりを企画する場合には、夜間や休日を利用するなどの工夫が必要かもしれません。しかし父親のネットワークができれば、悩み事を相談したり、活動を行う際にネットワークが利用できたりと子どもたちをとりまく世界も広がって行くと思います。

障害を持つ子と一緒に暮らすことは、お気づきのように大変なこともたくさんありますが、楽しいこともたくさんあります。また、家族が全責任を負わなくてはいけないと思っていると、気持ちの上でも負担になりますので、家庭以外に頼れる場所を確保することも必要だと思います。例えば、先に書いたショートステイですが、急な葬儀などで初めて預けると様子がわからず、子どもも職員も不安や戸惑いがあります。普段の元気なとき、短時間でもいいのでこういった練習をしておくと、いざというときも安心できるでしょう。

たとえ障害児の家族であっても、障害が違えば介護や大変なことも違い、その家庭の抱えている苦労や悩みはわかりません。これば、障害のあるなしに関係ないことでもあります。様々な機会にお互いに語り合うことは、家庭でも、また家庭以外の場でも必要なことだと思います。来月、長女の学校では「若草懇親会」といって、先生、保護者、介助さん、舎監さんなどが一堂に集まってわいわいとお酒を酌み交わす懇親会があります。学部を超えた交流も可能で、こういう場で新たなネットワークを築くことも大事だなあと思うのです。

 
 

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