−変わったタイトルですね。「ボクトツ」って何ですか?
素朴、朴訥、のボクトツです。左側は太陽ですが、 尋ねているような顔なので、「ねぇ」をつけました。
−これは、太陽なんですか。
はい。でも対象物は借り物です。描きたいものを表現するのに、たまたま形を借りているだけなんです。
−今回は、前回とはまた違った感じの絵ですね?
違った感じのものが面白いんじゃないかと思いまして。わざと塗り込めた感じとは違う絵にしてみました。
−描く対象物は?
動物が多いですね。身近にいるからでしょうか。あまり好きじゃない方が描きやすいですね。
思い入れがないですから。
−絵が仕上がるまでの時間は?
バラバラです。5分で仕上がるときも、3か月かかるときもあります。
−「こう描きたい」という目標はありますか?
いえ、あまり…。出来上がったものを楽しむという感じです。
僕は絵を通して、感情表現をしているんですね。その手段が絵で。
自分の中の違う面を絵によって発見して、多面性を楽しんでいるんです。
「多面性を絵にしているのではなく、描いてから多面性を再発見しているのが楽しい。」
そう語る中村さんにとって、絵は自分と向き合う大切な旅、なのかもしれません。
そういう揺るぎない世界を持っている中村さんだからこそ、この絵たちも素敵なんだろうなあ、と感じました。
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