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第312回●2008年11月9日(日)

 「土佐リハでの松葉杖体験」

 みかんが色づくこの季節、みかんの里 香我美町にある土佐リハビリテーションカレッジでの「医療コミュニケーション」は、私にとって心待ちの 楽しい講義です。

 理学療法学科3年生29名に、今年は2日間で 医療マナー、障害児育児についての体験談、Q&A(今年も学生からの質問は30個!)、松葉杖体験を行いました。
 彼らにとって松葉杖体験は、2度目です。以前授業で、歩行と数段の階段昇降を体験しているとのこと。そこで今度は、日常の体験により近いものを設定し、難しいものに挑戦してもらいました。
 たとえば落とした小銭を拾ってもらうという想定。これは思っていた以上に簡単にクリアされちゃいました。なぜかというと、みんな腰をかがめずに拾っているから。このように実際にやってみてなるほどと気づかされることもあり、私たちも勉強になります。
 難しかったようのはカニ歩き。横歩行は例えば、列車に乗って狭い通路を通るときなどに必要になりますが、ずっとこれで移動するのは疲れるものです。ましてビジネスバッグなど持とうものなら、重さもあり かなり大変。

 一番難しかった、との声が多かったのはやはり、コップ運びです。実際3分の1以上水を入れて運んでもらったのですが、みんな見るとやるとでは大違い。
 いきなり飲んで減らそうという大胆な学生がいたので「これは検尿という設定ね」と言うと爆笑。友人を笑って冷やかしていたのに、自分の番になるととたんに真剣になる学生、続出。(笑)こぼす人も少なからずいました。

 土佐リハビリテーションカレッジは来年4月、高知市大津の土佐女子短大跡地に引っ越してきます。それに伴い、来年度は理学療法学科・作業療法学科が入学定員を40名ずつに増やすそうです。
 ここの学生の素晴らしいところは人への優しさに溢れていること。毎年、熱い思いがビッシリと書かれたレポートに胸を打たれることが非常に多いのです。今年もまた、そうでした。

 「松葉杖をついてみて、痛くなるのは足だけだと思っていたのだが、長時間歩けば歩くほど手が疲れて、足も予想以上に疲れてしまいました。」
「コップは持ち方もわからないし、指で持つので思ったように前へ進めなくて、また手にすごく力が入って大変でした。実際に行うまでは、そこまで難しいものだと思ったことがなかったので、松葉杖をついてる人の気持ちまで読み取ることができませんでしたが、実際に行ってみると、こういう事で苦労するんだっていうのを理解できた気がします。」


 その他 自分をふり返って思うこと、親子の愛情、そして幸せについてそれぞの言葉で懸命に語ってくれ、それがとても深いのです。 「患者さんに治療だけではなく、元気を与える理学療法士になりたいと思いました。」
みんな、本当に素敵で輝いています。

 松葉杖をついてみて、日常生活での大変さを 改めて考えさせられた今の気持ちを忘れずに、患者さまの気持ちに添う 素晴らしい医療者になって欲しいと 心から願っています。

 
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