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|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
 

第471回●2011年12月25日(日)

ミニタイガープロジェクト 2011年最終報告F」

 早いもので、今年最後の「WEEKLY N」です。
今年は本当に重い一年でした。何と言っても、東日本大震災の衝撃はすさまじいものでした。 しかし、東北の方々は着実にその歩みを復興へと進めていらっしゃいます。

 岩手県宮古市の子どもたちを支援する「ミニタイガープロジェクト」から、今年最後の支援報告をさせて頂きます。副代表の榎本が保育園に支援品を届けてまいりましたので、ご報告いたします。

 宮古保育園は、宮古市の中心部にある私立保育園です。

 震災で園舎は半壊、園庭はヘドロで覆われて使えなくなり、震災後、系列の保育園で間借り生活をしていましたが、補修工事と土の入れ替えが済み、11月初旬からようやく元の園に戻ったばかり。現在、0歳児から6歳児まで、64名の子ども達が通っているそうです。

 最初に支援の申し出と打ち合わせに伺った時、かわいい子ども達は、スヤスヤとお昼寝中。園長先生はまず、この子ども達全員の命を守ること出来たのが何よりだった・・と、震災当日からのことをいろいろ話してくださいました。

 地震発生時はちょうど子ども達はお昼寝の最中だったそうですが、先生方の迅速な判断で、直ちに子どもたちを起こして避難を開始。おりしも、この日の午前中に地震を想定した避難訓練を行なったばかりで、そのことが子ども達の頭にも残っていたためでしょうか、泣いたり騒いだりせずに先生方の指示にきちんとしたがって避難したとのこと。

 小さい子は抱いたりおぶったり、乳母車に10人くらい立たせて乗せたりして、ようやく避難場所である近くの小学校に着いた時には足元に水が押し寄せ、とにかく高い所へ高い所へ、と声を掛け合いながら校舎の2階に逃げ込んだそうです。

 その時は既に園のすぐ前の通りは大人の腰くらいまで水が上がり、人や車やがれきが流されて来ていたとのことなので、もし判断を誤っていたら大変なことになっていた、と話していらっしゃいました。

(津波の時は約1.3メートルまで水が上がった、と指さす園長先生)

 その日から約8ヶ月。
園内は見渡す限りすっかりきれいになっていましたが、今の状態になるまでは、建物の床や壁の修繕、園庭の土の入れ替えに加え、給食のための厨房用品や食器、諸々の備品の買い換えなど、大変なご苦労があったようです。

 しかし、様々な支援物資が全国から寄せられ、絵本や遊具、布団など、全て無駄なく使わせていただいている、皆様のお気持ちが本当にありがたい・・とおっしゃっていました。

 いろいろなお話をする中で、この保育園では、以前からマーチングバンドに力を入れ、本格的に指導を行なっていたとのこと。 代々、年中や年長になったらマーチング!というのが、子ども達にとっても親御さんにとっても大きな楽しみの一つであり、卒園生が小中学校に進んでからもブラスバンド部に所属する例も多いとか。

 今年は、「それどころではない」毎日だったのでしょう、練習すら出来ず、運動会や、市内のイベントなどにお呼ばれしての演奏など全てが中止で、親御さん達も残念がっていたこと。
 高いところに保管してあった楽器類は幸い無事だったのだが、重いため下に置いていた「アンプ」が水没して使えなくなってしまったことなどがわかりました。

「アンプ」・・・。
高額なものだけに後回しになってしまいがちですが、日常を一歩一歩取り戻しつつある今だからこそ、こういった明るさや元気や希望の素になるものが必要なのではないかと、お話を伺って感じました。

 そこで、ミニタイガープロジェクトから、この「アンプ」を贈呈させていただくことにしてはどうかと、筒井代表に相談したところ、「マーチングバンドで、子どもたちも先生方もみなさんが元気づけられれば、何よりですよね。
そして子どもたちのマーチングバンドは、きっと大人達も元気づけてくれることでしょう!」 という心強いことば☆


 早速、実行開始!
以前使用していたアンプの品番を聞き、同じ物を、市内の業者さんのご協力により数日で取り寄せることが出来ました。
 そして贈呈の日。
園長先生はじめ沢山の先生方が到着を待っていてくださって、早速皆さんで箱を開いて、「わ〜〜!!」と歓声をあげ、とても喜んでくださいました。

 そこに広がった笑顔と喜びいっぱいの声を、ライブでお届け出来ないのが残念ですが(笑)、
先生方の表情を見て、このアンプは大きな希望の種なんだと感じ、私もとても嬉しい気持ちになりました。

 震災以降、子ども達に楽器を持たせて練習することさえ全く出来ない毎日だったのでゼロからのスタートになるけれど、年明けくらいから練習を再開したい、来年の運動会には再びマーチングの音を響かせたい・・と先生方。
「本当にありがとうございます。どうか皆様にくれぐれもよろしくお伝えください」と、何度も何度もお礼を言って見送ってくださいました。


 運動会だけでなく市内のイベントなどで元気に演奏する子ども達の姿や、アンプから高らかに流れる音色が、町のみんなを勇気づけてくれる機会も、これから徐々に増えて行くことを願ってやみません。

 皆様の温かいご支援と筒井代表の強力なバックアップをいただき、こうして、たくさんの人の笑顔や元気の素になるもの、ずっと長く使っていただけるものをお届けすることが出来ました。
 皆様に心から感謝申し上げます。

                  (ミニタイガープロジェクト副代表 榎本倫子)

 お陰さまで、ミニタイガープロジェクトからの支援金は合計562,459円になりました。今年の分は何回かのご報告の通り、すべて支援品となって子どもたちの笑顔に変わりました。来年も、細々とではありますが弊社からの支援ができればと思っています。

 来年は笑顔があふれる年になりますよう、皆さまのご多幸をお祈りいたします。次回のWEEKLYは、年明けの8日の予定です。それでは皆さま、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

 

 

 
 
 
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