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第533回●2013年3月11日(月)

東日本大震災から2年…」 

 あの東日本大震災から、2年がたちました。

 先日、岩手県宮古市のNPO「ふれあいステーション・あい」 のSさんから
たくさんの冊子と、お手紙を頂きました。

「まもなく2年目の3.11がやってきます。そして、3年目の時間が流れることになります。
被災した方々はもちろんですが、ここで生活する人の多くは、時間がたつほどに気持ちの落ち込みが
強くなったり弱くなったり、あの日からの日々がフラッシュバックして変わり果てた何もない町並みで
立ちすくんだり、生き残った自分を責めたり…

仮設住宅暮らしが長引く人と自宅再建やアパート暮らしへ自立する人との格差が出たり…
借金や資金面で苦しんだり、土地の境目や所有者の相違で解決が困難になったり…
問題は、深刻で広がっているように感じております。」

 文面を読むだけで、 彼の地での大変さが想像以上であること、自分が何もできないことに心が痛みます。

 「そのような中でも、前向きに生活して頂くために目の前の『一人の困ったさん』に寄り添う姿勢を
忘れずに進もうと思います。」と書かれた文面。Sさんの温かい、強い思いが感じられます。

 仮設住宅に配布されている状況を知らせる冊子や、Sさんのふるさと岩手県山田町の観光冊子もありました。
Sさんはまだ、ふるさとの街中をゆっくり歩けないそうです。

「あっという間の」「永い永い」2年だった、という被災された方の文章をどこかで見かけました。
被災者のみなさんには、きっとそうだと思います。


 そう言えば、グーグルマップのストリートビューが高知市でも始まりました。
居ながらにして、遠く離れた場所にいるような臨場感溢れた写真の提供をするサービスです。

 思いついて、岩手県宮古市役所を検索してみました。
駐車場の柵が壊れ、建物の1階はすべて窓をベニヤ板で覆っている写真に、ドキッとしました。
撮影日時を見てみると、 2011年10月。大震災から7ヶ月後の写真だったのです。

 壁にペンキで「解体OK」と書いてある建物。津波で壊され、土台だけを残す家。…
行ったことのない宮古市の景色を、まさかこういう形で見ることになるとは。
 
 宮古市だけでなく、津波がひどかった場所では、本当に何も残っていませんでした。
ただ、荒れ地に道路が広がっているだけです。かつてそこに確かにあったはずの建物や
賑わい、
人々の生活など 一切が一瞬にして失われてしまった、その喪失感はいかばかりか、
これらの写真を見るだけでは、無論千分の一、万分の一もわからないと思いますが…。

 グーグルもスケジュールに従って、たまたまこういうタイミングでを撮影してしまったのでしょうが
どうせなら震災前の景色を撮影できていたら、どんなにか良かったことでしょう。
 と思っていたら、グーグルが 「震災前後の被災地画像をストリートビューで公開するサービス」を
やっている、ということを知りました。

 復興支援サイト「未来へのキオク」では、ストリートビューの機能を利用し、被災地で
震災前のストリートビュー画像がある地域については、被災前後の同じ地点の画像をタブ操作で
簡単に切り替えられるようにしているそうです。

「一枚の画像だけではなかなか被災地の状況が分からないが、ストリートビューで周りを見回すと
状況が分かりやすい。グーグルマップの地形表示と合わせて見れば、津波の到達点の上下で
状況がどう違うのかも把握できる。こうした取り組みにより、震災の記憶を風化させず、長く残していくようにしたい」
このグーグル社からのコメントには、深くうなずきました。

 それにしても何も無くなってしまった荒れ地の光景を見ると、私に何が出来るのだろう、と自問自答してしまいます。
何もできない、と思わずにはいられません。…ただ、忘れないでいること。
そして、自分なりの支援の形を考え続けること、だけでしょうか。

 先日もあるパーティー会場で、東北での漁具倉庫建設の支援をしている高知大学の学生と出会いました。
ささやかな寄付に、笑顔でお礼を言ってくれた学生たち。 若いのにすごいなぁ、と感心します。
 震災後、そういう優しさと強さと行動力に溢れた若者がこの国に沢山いることを実感しました。
彼らの背中をお手本に、私も恥ずかしくないように…と改めて思います。

 どうか東北のみなさんのお気持ちが、一日でも早く、少しでも和らぎますように。
そしてみなさんが心から安心し、落ち着かれ、心から笑える日が返ってきますように。

 

 

 
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