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第548回●2013年6月22日(土)

「若い世代へのマネジメント」 

(中村 覚)

 毎年、この時期は人・みらい研究所では、大学でインターンシップに関するマナーの講義を行っています。大学生がお世話になる企業へ行った時に失礼のないように、一通りのマナーを身に付けてもらうのが目的です。日頃、ほとんど同世代間で交流をしている大学生にとっては、インターンシップ先で大人(社会人)と接することは、非日常であり緊張するものです。

 では、企業先での大学生の心得は何かと言えば、まずはタイムマネジメントです。所定の場所に決められた時間までに行く。基本的なことであり大事なことです。それから言葉遣いも大切です。日頃、仲間内でしゃべっている言葉遣いではなく、お世話になる企業の方に対して敬語で話す必要があります。ただ言葉遣いは、完璧にできていなくても相手を敬う気持ちがあれば、誠意は通じるものです。実践しながら少しずつ身に付けてもらうのが一番です!

 講義ではインターンシップ実践さながらにタイムマネジメントを重要視しています。企業に伺う時に遅刻をしてはいけません。同様に講義の開始時間に対しても遅刻をしないように予め周知をお願いしています。
 ところが、一部の学生にとっては、数分の遅刻は日頃から珍しいことではないのでしょう。 その癖(?)が出てしまい、ある講義では授業開始後、ぞろぞろと生徒が遅れて入ってきました。ちょっとした軽い気持ちだったとは思いますが、こういったところに学生と社会人との意識差が出ます。

 講義開始に1分遅れても遅刻は遅刻です。こういった感覚のまま社会に出ると、一事が万事トラブルの元です。今の内から意識喚起の必要があります。
 遅刻に対して何かペナルティを課し、遅刻者ゼロを目指すという方法もありますが、それでは学生の自主性や自律を妨げることになります。そこで、マナーの本当の意義を伝え、「次週の講義の時には、遅刻者ゼロで開始できるよう、ご協力をお願いします。」と伝えました。

 すると2回目の講義の時には100人近い学生の内、わずか2名を除きほぼ全員がちゃんと授業開始前に着席をしてくれていました。学生の自主性を尊重した呼びかけで、このような成果が出たことは驚きでした。

 ところで、先週の高知新聞に “若者 厳しい規律敬遠” という見出しが出ていました。記事の内容は、中退者続出の県警察学校の実態です。警察学校では新規採用者( 大卒は6ヵ月間、高卒は10ヵ月間 ) は、警察学校の寮に入ります。その間 きっちり定められたタイムスケジュールを守り、規律ある集団生活を送ります。起床は6時30分。ランニングや掃除を済ませてからの朝食。 その後は午前、午後の授業、たとえば15キロもの装備を身につけて20分間ランニングなどのハードな訓練や武道訓練をこなします。夕食後には自習時間も有り、22時30分の消灯までスケジュールはびっしりです。

 しかし、この厳しい集団生活を敬遠する若者が増えているというのです。 「ひと昔前なら1人も辞めないのが当たり前だった」と言うのは県警幹部の方々。採用者は大卒・高卒合わせて、ここ5年は60〜80人台での推移をしています。毎年、数人の中退者がいる中、去年(12年度)は25人もが辞めたというのです。「警察学校の生活に耐えられない」というのが理由です。

 こういった事態を受けて、授業内容をこれまでのような「上から教える」だけではなく、学生との対話に重点をおく授業方式も検討中と記事にありました。

 今の若い世代には上からの命令口調、単なるトップダウンではない指導方法が効果的なのかもしれません。
良い事例として、前々回のコラム「DJポリスの秀逸なコミュニケーション力」をご覧下さい。若者の立場に立って感情を共有し、ユーモアを交えて和ませ、マナーアップや解決に導く。そんなマネジメントが必要とされる時代になっているのかもしれません。

 

 
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